第385話 ヒロトの事情
「えー。では改めて説明します。今度はしっかり聞いておいてくださいよ?」
さっき僕が聞いていなかったのを根に持っているようで改めてヒロトは確認をした。
「分った、分った......今度はちゃんと聞いておくから」
こいつは理由はどうあれ親友の体を奪ったやつだから怒りしかわかないけど!
「俺は1度目の人生は交通事故で死にました。そして気づいたらアフロディテ様の前にいて転生特典としてある能力を貰ました......おっとそいつが何かは簡単には教えられませんけどね!」
得意げに話すヒロトのみぞおちに一撃かましたいと思いながら動けないのと親友の体を傷つけちゃだめだと思い我慢する。
こいつの転生特典は教えてもらわなくても僕はその能力が何か気づいたんだけどね。たぶん読者の方々も前話の女性陣の反応を見て薄々気づいた人も居るんじゃないかな?
「だが、生まれ変わった俺の体は何と不治の病に侵されていたのですよ。生き返ったのに経った余命半年......正直この時は『神様のバカヤロー! 何で運命は俺をこんなにも殺したがるんだ!』と叫びたくなりましたよ」
ヒロトの横に女神様という神様居るけどね、と突っ込みたくなるのは僕の性なのだろうか?
......などと考えている僕の様子など気にすることもなくヒロトは話を続ける。
「そんなときたまたまアフロディテ様に再開しましてね。そしてアフロディテ様に言われたのですよ。『私に協力してくれたら新しい体をプレゼントしましょう』とね」
おい......余命半年の体を与えたのもアフロディテ、しかも“たまたま”女神と会うとかありえるのか!?
「『あなたに不良な体を与えたディオネという女神が今死後の世界を牛耳っています。そこでその女神を倒せばあなたに体をプレゼントできます。プレゼントする体はディオネと協力しているダイスケという人間の少年の体を与えることとしましょう』と約束までしてもらったんですよ!」
このヒロトってやつどこまでお人好しなんだろうか? こんなトンデモ設定を信じてアフロディテに協力しているの?
別の意味でこのヒロトって少年が可哀そうに見えてしまうよ......
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