第383話 一体どんな作戦なんだ!?
「違いますよ。あれはダイスケさんではありません」
ディオネ様は僕の頬をつまんで引っ張っていた。
この女神僕が動けなくなったとたんに僕で遊び始めやがって......いや、今はそんなことよりも!
「それはどういうこと?」
「それは俺から説明しよう!」
階段のしかもまだかなり上の方からダイスケ(?)は叫んだ。
「あの人何がしたいのかな? 何であんな遠くから叫んでるの? もしかして馬鹿なの? もっと近くで話せばいいのに」
「それはですね。先ほどアフロディテが動くことを禁止したじゃないですか。その影響であの人も動けなくなったんですよ。つまり馬鹿なのはアフロディテの方ですよ」
僕の質問に答えつつさりげなくディオネ様はアフロディテの悪口を言い始めた。
相変わらずディオネ様は小物臭が......あ、いえ、嘘です。首を締めないでくださいね。とすれば......ラスボスに限ってそんなミスはしないと予想できる。きっとこれも何かの作戦かもしれない。
「アフロディテ様! こんなに離れてたら話し辛いのでそっちに連れて行ってください!」
ダイスケ(?)はまたもや遠くから叫んでいる。一体どんな作戦なんだ!? あの叫ぶ行為に何か意味があるのか!?
「あの......すみませんがこっちもタイム使っていいですか?」
アフロディテは腕てTの字を作って苦笑いをしていた。
「あ、はい......どうぞ」
僕の返事を聞いてアフロディテはダイスケ(?)のところまで小走りで駆け寄り、ダイスケ(?)を脇に抱えて戻ってきた。
「お、お待たせしました......」
アフロディテは息を切らしながらダイスケ(?)を自分の横に立たせた。
「能力で動けなくなっただけなのかよ!」
「だから最初からそう言ったじゃないですか?」
ディオネ様は僕の突っ込みにやれやれと言わんばかりに両手を挙げて首を振った。
「初めましての人が多いからまずは自己紹介させてもらいますよ。俺の名前はヒロトだ......そして、当然の疑問が生まれますよね? なぜ俺がダイスケの体なのか? その理由はシンプル......俺がダイスケの体をいただいたからですよ!」
こいつがあの時にディオネ様から女神長の指輪を奪い取ったヒロトだったのか!
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