第380話 もしかして僕に突っ込みを入れて欲しいの?
「タマ! ちょっと前まで突っ込みもこなすキャラだったのにボケキャラやっているんだよ!? 何? もしかして僕に突っ込みを入れて欲しいの? 説得しに行ったやつが説得されてんじゃないよ!」
相変わらずの突っ込み要員が少ないことにイラっとしたので八つ当たり気味に僕は突っ込みを入れた。
「はっ!? 忘れてたにゃ!?」
タマはどうやら感動のあまり素でマコトの言うことを聞いてしまったらしい......おっと今はそんなことを考えている場合じゃない。
「分ればいいんだよ! じゃあ早くマコトを説得してくれ!」
「分ったのにゃ」
タマは後ろを振り返りマコトの目をじっと見つめる。
「聞いて欲しいのにゃ! そこのアフロディテは人間を管理する世界を作ろうとしているのにゃ! そんなことを許していいわけないと思わないかにゃ?」
「タマ、それは違うよ」
マコトはそう簡単には説得されないか......タマはコロっと寝返ったけどね!
「どうしてだにゃ?」
「人とは本来管理されることを望む生き物なんだよ。学校の生徒は担任に、担任は学年主任に、学年主任は教頭に、教頭は校長にといった感じに......ね。人は誰かに従うことで正しい道を進んでいるという安心感を得られるんだ。だから女神様に導いてもらい私たちは自身で選択しないことこそ最上の人生だと思うよ」
何でマコトの例え話が学校なんだろうか......あ、そうか一応前世は学生という設定だったからか。いや、今はそんなことを考えている場合じゃない! マコトのこの発言を認めてしまえばアフロディテが正当化されてしまう!
「だったら! こっちにも女神様はいる! そう......ディオネ様がね! その理論ならアフロディテではなくこっちの女神に従ってもいいじゃないか!」
僕はすぐそばに居るディオネ様を手で指し示した。
「え? だってそっちの女神様何か女神様と言うより駄女神様って感じじゃない? 怠けて仕事もおろそかだったみたいだし......」
マコトに言われてみればそんな気が......
「......って何で肯定するんですか!?」
「じょ、冗談ですよ! 手を放して! 首を絞めるのはやめてくださいって!」
僕は必死にディオネ様の腕を軽く何度も叩いて止めるようにアピールしたところ何とか解放してもらえた。
さて、女神の器の差じゃ勝ち目はないみたいだしここからどうしたものか。あ、首を絞めるのはなしにしてくださいよ。読者への説明のために考えただけですから。
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