第376話 なんだか拍子抜けだね
アスカは鼻息荒くどこで入手したのか木の棒を持って戦う気満々のようだ。タマは複雑な顔をしている。やはりこの展開はタマも予想していなかったようでタマに戦わせるのは酷だろうか。アスカ、タマ以外は戦意を失ったのか拍子ぬけな顔をしている。やる気のあるアスカだけで倒してくれれば言うことなしなんだけど......
「さあ、勝負ですよ! もっともあなたには勝ち目なんてこれっぽちもありませんけどね!」
アスカは相変わらずどこからその自信が来るのか分らないけど自信満々で宣言する。
「あの! そこのメイド服の人......できれば降参してもらえると助かるんだけど? 降参してもらえるかな?」
「え? もしかして私に話しかけているんですか? ......というかもう勝った気でいるんですか? 私のこと舐めているんですか?」
マコトの言葉にアスカはますます不機嫌な犬のような剣幕で威嚇してきた。
「あ、ごめんなさい! そう言うつもりで言ったんじゃないんだけど気を悪くしたなら謝るよ」
マコトは両手を振って否定した。
ふと思ったんだけど......これマコトを無視してアフロディテと戦えばいいのでは? ラスボスを先に倒しちゃいけないなんてルールはないんだし、僕ってもしかして天才なんじゃないだろうか?
僕は閃いたように手をポンと叩いた。
「みんな! アスカがマコトの相手いしている間にアフロディテを攻撃するんだ!」
僕は自分の才能が憎らしくなってくるよ......まさか知将としての才もあったなんて。
僕の言葉に反応してマロン姫が一瞬のうちにアフロディテに距離を詰める。
「もらった!!」
マロン姫はアフロディテの首元めがけて足を振り下ろした。
アフロディテは明らかに攻撃されているのに気づいているのに避けようとしない!?
「いや! 違う! マロン! 後ろだ!!」
スザクの掛け声でマロン姫は後ろを振り向いたが手遅れだった。そう......一瞬のうちにマコトがマロン姫の背後に回りこんで剣で叩きつけたのだ。
「安心してよ。峰打ちだから!」
マコトは倒れたマロン姫に刃を向けた。
「な、何て早さだ! あのマロン姫を圧倒した!?」
「違う! ちょっと油断しただけだ! 私はパパの次に強いんだから負けるわけない!!」
マロン姫が負け惜しみみたいなことを......というかスザクを基準に言われても分からないんだけど!
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