第374話 今日こそ僕たちはお前を!
いよいよアフロディテと最後の戦いが始まるのか......ならここは宣言しておくべきだろう。
「アフロディテ! 今日こそ僕たちはお前を倒し......」
「私の代わりにある方に戦ってもらいましょう」
僕のセリフと同時にアフロディテが聞き間違えとおもわれるセリフを言った。
「え......ちょっとよく聞こえなかったからもう一度言ってもらえるかな?」
僕は頭を押さえながらアフロディテの方に手を伸ばした。
「姫様! 私は姫様のセリフもよく聞こえなかったのでそっちも聞きたいです!」
僕の隣で期待に目を光らせてアスカが余計なことを言い出した......僕のセリフは聞かなくていいんだよ!
「私の代わりにある方に戦ってもらいましょうと言ったんです。この世界に来ていきなり私と戦ったんじゃ私が下っ端みたいじゃないですか? ですからこの方に登場してもらいます!」
アフロディテは自身の後ろにある階段を手で指示した。
この状況で登場する人物......まさか!? ......と思ったけど特に思いつかないな。
「思いつかないなら思わせぶりなこと考えない方がいいんじゃないですか? 読者の方がちょっと期待してしまうかもしれないじゃないですか?」
ディオネ様が僕の肩を軽くポンポンと叩いた。残念な子を見るような目で僕を見ながらね。
「アフロディテ様、この人たちですか?
190センチの高身長で、腰には大きな剣を装備したいかにも冒険者って感じの男の子がそこに立って......おや? この設定の人物に心当たりが......
「マコト君......」
ユウが旧知の仲なのに敵キャラとして登場した相手を見るかのような複雑な表情を浮かべていた。
「まあ実際その通りですからね。ほらあの子は1話で君と入れ替わった女の子だよ」
ディオネ様は僕の考えを読んでマコトと呼ばれた男の子を指差した。
「ほらちょっと前に言ったじゃないですか。呼んでおいたって......会いたかったんですよね?」
アフロディテはこんな状況でも親切なようだ......ラスボスなのに。あれ? でも戦ってもらうってことは親切とは言えないんじゃ......?
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