第370話 夢の終わり
「ひ、姫様......し、失礼します。こ、こちらを......ど、どうぞ」
今度はマーラが扉の蔭に隠れながら1枚の封筒を手渡した。僕がそれを受け取るとマーラはそのままどこかに走り去って行った。封筒を開けてみるとどうやら紙切れが1枚入っているようだ。
「アイネちゃん、それは手紙かな? 何が書いてあるんだい?」
国王様が覗き込むように僕の手紙を......って娘の手紙勝手に見るのかよ!?
その手紙はシャーリーさんからのもので、どうやらこれは水着パーティーの招待状のようだ。ミランダさんがどうやら強行して開催しようとしたので、しぶしぶシャーリーさんもおれてパジャマパーティーの時と同じく共同開催になったようだ。
「ま、まさかアイネちゃんに他にも友達がいたなんて!?」
隣で読んだ国王様は涙ぐむ様子を見せ......っていうか本人は自覚ないだろうけど僕に友達が居ないって言っているようなものだからね! よーし、分った! この世界でお茶会とかそういうイベントに積極的に参加して友達100人作って見返してやろう! まずは水着パーティーだ! シャーリーさんが来るなら僕の身は安全だろうし、可愛い女の子見放......いやいや友達がたくさん作れそだからね!
僕は意を決して立ちあがるとテーブルに体があたり、紅茶の入ったティーカップが床に落ち......る前に止まった!?
「え? どうなっているの!?」
部屋の中にを見渡すと国王様、王妃様、セバスチャン、コロネ、サーシャも微動だにしない。念のためコロネの顔の前で手を振ってみたり、変顔してみたりしてみたがやはり反応がない。
『君は何がしたいのですか?』
声のした後ろを振り向くとアフロディテが椅子に座って足を組んでいた。どうやらさっきの僕の行動は見られていたようだ......
「......ま、まんまと僕の作戦に引っ掛かって出てきてくれたね!」
僕は恥ずかしくてとりあえずアフロディテに指を突き付けた。
『ふーん。ま、そういうことにしておいてあげましょう。そろそろ読者の方も私がこんなことをした目的とか知りたいと思いましたので出てきたわけですよ』
アフロディテはいつの間にかグラスに入れたワインを出現させ、グラスを傾けながら香りを楽しんでいた。
「ゴクリ......で、その目的は?」
『目的は次話でお話しします!』
僕の質問にアフロディテは笑顔で答えた。
......って次話とかそういうのもありなのかよ!?
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