第366話 ゲームオーバー
「これで先輩の目論見もめでたくゲームオーバーと言うことですね。ここまで必死こいて頑張ってきたのに残念でしたねぇ?」
アフロディテはディオネ様を中心としてゆっくりと歩き始めた。
「どうしてこんなことするの!? こんなこと許されるはずがないじゃないか!?」
僕は動かない体の代わりに力の限り叫んだ。
......と言うか僕が言わないと誰もこの質問しそうにないよね......このパーティ。
「どうして? そんなの簡単ですよ......このやり方が最も人間を管理しやすいと思ったからです。それに許されないなどとはおかしいですね? 私が......誰に許しを請う必要があると言うのですか? この女神である私が?」
僕は根本的に勘違いをしているのかもしれない。僕たちはこのアフロディテを倒すことはできない。人の身でありながら神に逆らうなんて傲慢な考えだったのだろう。まさか......この小説がこんな形で終わりを迎えるなんて思いもしなかった。応援してくれたみんなありが......
「諦めちゃダメです! 親友を助けるんでしょう!」
ディオネ様は僕の両頬をつつき始めた......っていつまでつついているんだよ!? この女神、僕の頬の感触を味わっているだけじゃないだろうね!? 僕も我に返ることができたから感謝はしているけど。
僕は再びアフロディテの方に視線を向ける。
「へぇ? 良い目をするじゃないですか? 勘違いしないように一応言わせてもらいますけど私はアイネさんのことを評価しているのですよ? 女神の手を借りたとは言え、死ぬ以外の手段で人間がこんなところにまで来れるなんて思いませんでしたから。さっきまでアイネさんの居た世界のワールドオーナーがちょうど空いてしまったので代わりを、と考えていたところなんですよ。君のような有能な人物になら任せられそうですからどうですか? ワールドオーナーをやってみませんか?」
アフロディテは思いもよらぬ提案をしてきた。
僕が......ワールドオーナー?
「そ、そんな誘いに乗るわけないだろ! 第一、もう僕にとってあの世界なんてどうでもいいんだから!」
「いやいや......そんなことないでしょう? それじゃあこういうのはどうでしょう?」
アフロディテが指を鳴らすと僕は光の中に包まれた。
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