第362話 目的を聞かせてもらおうか

 父娘でイチャイチャし始めたスザクとマロン。その様子に耐えきれなかったのかメルダリンが口を開く。

「おい! くだらない質問ばかりしやがって......こいつは質問させることで敵意をなくさせようとしているんだ! 敵の罠にまんまとはまってんじゃねえ!」

 メルダリンは一気にアフロディテに近づき大剣を振り下ろす。しかし、なんとその重そうな大剣をアフロディテは片手で受け止めたのだった。

「ペロプスは相変わらず血の気が多いですね。何ならあなたも質問していいですよ?」

「そうかよ! ならお前がやっている『歪んだ女神システム』計画の目的を聞かせてもらおうか!?」

 メルダリンはさらに力を入れて剣を振り下ろそうとしているように見えるが刃は全く動きもしない。

 .......一応補足するけどペロプスはメルダリンのことだよ。メルダリンは意外といい質問するじゃないか! そう! これだよこれ! ラスボスにする質問って言ったらこういうのだよ!

 アフロディテは大剣をぽいっと放り投げて腕を組んで首をかしげた。メルダリンも簡単に剣を奪い取られて緊張した表情でアフロディテの動きに注視していた。

「あの......『歪んだ女神システム』計画って何ですか?」

 え? 知らないの? どういうこと?

 僕はアフロディテの意外な反応に驚いていた。

「とぼけるな! 今の異世界進路希望調査をやっているだろ! それのことだ!」

 メルダリンは怒りをあらわにして反応した。

「ああ、その計画のこと! でもダサくないですかそのネーミングセンス。あなたが付けたんですか?」

 アフロディテはニヤニヤしていたので恥ずかしさのせいかメルダリンは顔を真っ赤にしていた。その様子を見ながら笑みを浮かべたままアフロディテは続ける。

「まあいいでしょう。ここに居る人たちもそのダサイネーミングではなく正しい名称で呼んでほしいので私の計画、幸福ユーフォリア計画をお教えしましょう。あ、ちなみにユーフォリアをアルファベットで書くと“Euphoria”です」

 幸福ユーフォリア計画......いったいどんな計画なんだろうか?

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