第359話 悪い女神と良い女神
「武器生成!」
メルダリンは大剣を生成してお姉さん......アフロディテに向ける。
「ちょっと待っていただけますか?」
アフロディテは右手の掌をこちらに向けた
「なんだ? 命乞いでもしようって言うのか?」
メルダリンは持っている大剣を肩にのせて見下すように顎を引いた。
いやいや命乞いって......まさかメルダリンはアフロディテの命を取ろうとしてたの?
「いえ、違います。ここには人がたくさんいますよ? こんなところで戦ったらご迷惑をかけるでしょう?」
アフロディテの言葉で周りを見てみると困惑している受付を待っている死者の人たちが目に入った。
「ふん! そんなの知るか! 他のやつがどうなろうが私の知ったことか!?」
あれ? おかしいな......僕は悪の手先にでも協力していたのだろうか? メルダリンの言っていることが完全に悪者の発言なんだけど!?
「相変わらず頭の固い人ですね。とりあえず場所を変えましょう」
アフロディテが指を鳴らすと一瞬にして周りの景色が移り変わった。さっきまでの人の多い場所と違いあたり一面白い床が広がっている。唯一あるものと言えば上に昇る階段がアフロディテの横にあるくらいだ。
「あなた方のお仲間も一緒に連れてきましたよ」
アフロディテは手のひらを上に向け後ろを見るように合図した。
僕は振り返るとそこにはディオネ様、メルダリン、ユウ、アリス、タマ、スザク、マロン姫が立ってい......あれ? 誰か1人足りないような? あ、そうか!
「あの......アスカが居ないみたいなんですけど......?」
「あの子は連れてくると面倒そうですから居ない方がいいかなと思いましたので連れて来てません。あの子がいるとアイネさんも突っ込みし続けなければいけないから大変でしょう?」
アフロディテ......さん、もしかしていい人? いやいい女神か!? でも、この世界にまでつれてきておいてアスカなしで進めるのはちょっと可哀そうかもしれない......
「でもできれば連れてきていただけると......有難いのですが?」
「分りました。では連れてきましょう」
アフロディテが再び指を鳴らすとアスカが現れた。
「あれ? 急にみんな居なくなったと思ったらこんなところに居たんですか!? まったく勝手にどこか行っちゃだめですよ? 迷子になりますからね!」
なぜかアスカに説教される僕たち。やっぱりアスカは居なくても良かったかな?
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