第353話 下痢になるって聞いたんだけど?
メイド長の言い分は分った。与えられた役割を忠実にこなす......気づかぬうちにきっと多くの人もそうしているんだろう。それは会社における上司や家族としての母親そういうものに近いのかもしれない。
「じゃあさ、メイド長にとってワールドオーナーはどういう存在なの?」
初めに僕がワールドオーナーの話を聞いた時この世界の支配者って聞いたけど、もしそれを忠実に再現しているならそれこそ魔王みたいに人々を苦しめる存在だからだ。
「ご安心ください。私が考えるワールドオーナーはこの世界に存在する異世界転移した能力者たちを管理するためです。能力を持っている者と持っていないものでは力に大きな差があります。言ってみれば対能力者用の警察みたいな存在と考えております」
メイド長は相変わらず僕の心を読みながら答えた。
どうしよう......僕たちはメイド長を倒していいのだろうか? え? そもそも僕には倒せないからそんなこと考えても無駄だろって?
「はい! 私をこの世界から追い出さないと約束していただけるのですか」
僕の横から体を起してアリスが右手を高く上げていた。
「はい。お約束しましょう」
メイド長は目を閉じてゆっくりと答えた。
「あれ? ちょっと待って......アリスはお腹の調子とか大丈夫なの?」
僕の記憶が正しければ能力殺しの短剣に刺されると3日くらい下痢になる......って聞いたような。
「え? 毎朝快便で......って恥ずかしいことを言わせないで欲しいですわ」
アリスは顔を赤らめて両手を頬に当てて恥ずかしがっていた。
......あれ? もしかして不良品掴まされたの?
「じゃあさ......能力は!? 能力は使えるの? ほらそこにちょうどいい実験体もいるし」
僕はそう言ってトメを指差した。
読者の人たちに勘違いしないでもらいたいけど別にさっきイラっとした罰じゃないからね。ちゃんとこれとは別に罰は与えるつもりだよ!
「おい! 実験体ってどういうことだ!?」
トメは縛られたまま叫ぶがただ虚しいだけだ。
「あ、なるひど......分りましたわ、お姉様」
アリスは僕の意図をくみ取ったのか、自身の瞳が赤に染める。
「今日のパンツは何色ですの?」
「......白です」
アリスの質問にトメは素直に答えた......と言ってもこれがアリスの嘘封じの能力だから嘘ついたりとかできないんだけどね。
すかさずアリスはすかさずパンツを確認した。
「白でしたわ! 能力使えますわ」
グッジョブサインで答えるアリス......ってあの短剣何の役にも立たなかったってことじゃないか!! セクハラに関しては今は不問にしておこう。
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