第349話 勝利もつかの間
ユウ、
これで倒せたということだろうか? 相手が女神だから僕たちの常識は通じないし......そうだ!
「メルダリン! 倒せたの?」
メルダリンは剣を手に持ったままこちらを振り向いた。
「えぇ......っと!? たぶん......きっと......倒せた......はず!」
冷汗をダラダラと垂らしながら、目を泳がせてメルダリンは答えた。
この元女神様、得意げに女神を倒す倒すとか言ってた割に倒せたかどうかわからないらしい。肝心なところで役に立たないな......
「安心しろよ......今回はもう私は戦わないでおいてやる......だが、残念ながらお前らはどっちにしても終わりだ!」
ニオベはぐったりしながらゆっくりと右手の人差し指を僕らに向けた。
「ほら! 倒してたでしょ! ふっふっふ......ニオベ! つまらない負け惜しみを言うんじゃない! ここから逆転する方法があるなら言ってみろ! ほら! 早く!」
メルダリンはとてもイラっと......じゃなくて自慢げに語り出した。
......その言い方だと色々なフラグが立ちそうな嫌な予感しかしない感じなんだけど......この上一体何があるというんだ!?
「そんなに聞きたいなら教えて......」
「いや、聞きたくないので話さなくていいです」
僕は反射的にニオベの話を遮って僕は必死に耳をおさえた。
何で遮ったかって? こういう展開は聞いてしまったが最後......絶望的な展開しか待っていないからだよ!
「なんだ? 聞かないのか......折角最後にお前らの絶望する顔を見ようと思っていたのにな......」
ニオベはゆっくりと指さした手を降ろしてゆっくりと目を閉じた。
どうやら諦めてくれ......
「......と言うのは嘘だ! この場に居るワールドオーナーによってお前ら全員を始末させる!」
そう言ったニオベの体は完全に光の粒になって消えていった。
結局言うのかよ!? ......ってワールドオーナー!? ついに......誰がワールドオーナーか分かるってこと!?
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