第348話 これで終わりだ!

 光の刃が当たる直前でニオベの横腹めがけて凜風リンファが蹴りを入れた。驚くことに物理攻撃が効かないはずのニオベがなぜか吹っ飛ばされたのだ。

 あれ? ザックス王子がいない......安全な場所まで避難させたのかな? だけどこれで凜風リンファも思う存分戦えるぞ!

「もしかしてさっきの能力を使った時に物理攻撃無効の魔法が解除されたのかも?」

 僕が考えごとをしている横でユウは推測を呟いた。

 そうか......断続的に使用している魔法ならニオベが再発動する前に攻撃すれば無敵の能力のニオベを倒せるかもしれないってことか!?

「アイネ君! 私にもその能力を使って能力を使えるようにしてくれないかい? 一気に勝負を決める!」

 ユウはニオベから目を離さないまま僕の方を振り向き手で合図をした。

 うん。それができればいいんだけどね......読者のみんなもご存じの通り、残念ながら女の人には使えないわけで......

「ええっと......ごめん使えないんだ」

「マジ?」

 ユウの問いかけに僕は申し訳なさそうに頷く。

「ぷぷっ......全く役に立たないお姫様ね」

 トメは縛られたまま寝そべりながら僕のことを笑ったのでイラっとしたが、今はそれどころじゃないので後で罰を与えようと決心し僕は無視をすることにした。

「ま、まあチャンスであることには変わりないから一気に勝負を決めてくるよ!」

 ユウは腰の剣を抜きニオベに接近する。同時に凜風リンファもニオベとの一気に距離を一気に詰める!

「ガキどもが! 舐めるな!」

 ユウの剣と凜風リンファの蹴りがバリアのようなものに防がれたのだ。どうやら物理攻撃無効の魔法が再発動したようだ。

 だけど僕の能力はまだ継続中だよ!

 再びトリッキーがニオベに指を向ける。

「くそっ!」

 ニオベは女神らしからぬ悔しそうな言葉を漏らし険しい表情で睨みつける。

「はぁ......はぁ......ちょっと休みすぎた。覚悟しろ! ニオベ!!」

 いつの間にかメルダリンも苦しそうながらにも復活していた。

「「これで! 終わりだ!!」」

 ユウの剣、凜風リンファの蹴り、メルダリンの巨大な剣で一斉に攻撃を仕掛けた。

 これで決まってくれ!

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