第341話 女神の怒り
「何、お前のその顔? 目をまんまるにしてマジで笑えるんだけど! あーはっはっはっは!」
マチルダはタマの顔を見て笑い出した。
「うるさいにゃ。いい加減黙るんだにゃ!」
タマは睡眠薬を染み込ませたと思われるハンカチをマチルダの口元に当てると動かなくなってしまった。
「何者だ! あの少女は!」
ビャッコが驚いたような表情で指をさした。
「馬鹿なあなたたちに教えてあげるわ」
声の方を見るとトメがナナリーにロープで縛りあげられながら地面に寝そべりながら答える。
こいつ......姿が見えないと思ったら捕まっていたんだね......
「あの方は......」
「なかなかの貧乳じゃないか!」
ビャッコはトメの言葉を無視して貧乳に見とれていたのだ......っていうかビャッコはこんな状況でもブレないんだね。
「話を聞きなさいよ!」
トメは突っ込みを入れたがビャッコは凝視をやめることもなくスルーされた。
「ニオベ様......どうしてこんなところに?」
マロン姫が膝をついたまま尋ねる。
「ここに居る理由ね......まあ、強いて言うならマロン姫様に面白いことを教えてあげようと思いましてね」
「面白いこと?」
マロン姫はニオベの言葉を聞き返した。
「ええ、10年前にマロン姫様の姉を殺したのはカレン様と教えましたけど、実はカレン様を操っていたのは私......この女神であるニオベ様ってことをな!」
ニオベは人が変わったように悪魔のような笑みを浮かべ、そして女神の象徴とも言うべき白い翼を出した。
「は......?」
マロン姫は訳が分らないというような顔でニオベを見た。
「やれやれ......そんな間抜けな顔しないでもらいたいね。冥土の土産に教えてやろう......理由はシンプルなもの、お前の姉は不敬にも女神である私に意見をしたからだ。数十年しか生きれない人間と言うガキのような種族の分際で何億、何十億と生きる我々神に対して意見をしたんだ......許せるわけないだろう?」
ニオベは地面に落ちている石を広い、その石を握力だけで破壊してみせた。
「姫様、ここは私が!」
「ダメだ! コトリ!」
マロン姫の抑止も聞かずコトリは背後から近づきニオベの肩に触れた。どうやら触れた相手の動きを止める能力を使うつもりなのだろう。
「で? お前は何をしたいんだ?」
ニオベはまるで能力が効いていないかのようにコトリの方を振り向いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます