第337話 能力の限界
ドMのスザクなんて需要もないと思うし、何より扱いに困るので指を鳴らして能力を解除する。
「はっ!? オレはなんてことを!? いや......しかし幼女に叩かれるのもいいかもしれない......」
スザクがとんでもないことを言いだしたが、新しい性癖が目覚めてないことを願いたい。
「すごいにゃ! もしかして今のがアイネ姫の能力なのかにゃ?」
タマは嬉しそうにボロボロ布のやつにコブラツイストをきめていた。
「うん。男に対して本人ができること以上のことでも命令することができる能力なんだ」
「だったら、スザクに『マロン姫を倒せ!』って命令すればいいんじゃないかにゃ? あっちはかなりやばそうなんだにゃ!」
タマは顎を使ってメイド長とマロン姫の戦いの方を合図した。
「いや......それは無理だよ。僕ができるのはちょっと強化するくらいだから、あそこまで人間離れしたのを倒すのは絶対に不可能だよ」
僕は手をパタパタ振った。
「だはははは! じゃあ結局お前らはここで終わりだな! 姫様がいればオレたちの勝ちは揺るぎないんだ! 何せ姫様には2つの能力がある! 1つは超反射能力......つまり人よりも圧倒的に早く瞬間的に反応できる。そしてもう1つは自分の動きを最大100倍まで加速することができる。だからどんなことをしようが絶対に攻撃をかすらせることもできないんだよ!!」
ボロボロ布は大声で笑いながらなんとマロン姫の能力まで解説してくれた。
こいつは読者サービスのためとか考えてないだろうけど、一応感謝してあげよう......バカでありがとう!
「とはいえ......状況が悪いことに変わりはないしどうしようか」
僕は頭に手をあてて考える。
やっぱり少しでもスザクを強化してメイド長と協力して倒してもらう......それくらいしか思いつかない。
「あの女性を倒せばいいんだな。ならオレの能力を使えばなんとかなるだろう?」
スザクは僕の後ろから頭に軽く手をのせた。
「え? 本当!? マロン姫を倒せるの?」
「マロン姫? まさか......いや、この懐かしい感じ間違いない。あの子は......前世のオレの娘か」
スザクは優しい目をしてマロン姫のことを見た。
思い出した! そうだマロンって名前どこかで聞いたと思ったけど、アーロン(スザクの前世)の娘の名前だ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます