第326話 集団ストライキでもしてるの?
南西の中庭へまっすぐ向かうと言ってもザックス王子のお城だけあって広いのでたどり着くまでそこそこ時間がかかる。廊下の曲がり角や少しだけ扉が開いている部屋をたまにチラ見してトメが隠れていないかをチェックしながら進む。しかし、約10分くらい歩いたところで奇妙なことに気づいたのだ。そう......誰1人として人を見かけないのだ。
「あのさ......ザックス王子、このお城全然人を見かけないんだけどもしかして集団ストライキでもしてるの?」
さっきの様子のおかしいメイドの件もあるし、僕としては集団ストライキでもしててくれた方がましだと思い聞いてみた。
「これは手厳しいですね......ですがおそらく凜風(リンファ)は普通に仕事もしていましたので特にそのようなことはないかと思います」
ザックス王子は苦笑いをしながら答えた。
しまった......ついつい他の王子としゃべるみたいについつい嫌味な言い方になってしまった。
「あ、いや......そういうつもりじゃなかったんだけど。ごめん」
僕はついついザックス王子に謝ってしまった。
性格が良い王子はやりずらいな......言葉を選ばないと僕が性格悪い奴みたいに読者に思われるじゃないか!
そんなことを考えていると前からメイドが歩いてきた。
「なんだ......僕の思い過ごしか。ほら見てよ! あそこにメイドがい......る?」
僕がそのメイドを眺めながら話しているとナイフを持ってこっちに向かって走ってきた。
このメイドも意識を乗っ取られたメイドかよ!!
「姫様、ザックス殿下。お下がりください」
メイド長が1歩前に出て僕とザックス王子を庇うように前に出た。
「メイド長! 頑張ってください!」
後ろの方からナナリーの声が聞こえる。いつの間にか一番後ろに移動していたのだ。
ザックス王子は主人じゃないからいいとしても、メイド留学しているんだからせめて僕の身は守るように行動してくれないだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます