第325話 前話の突っ込みから始まるよ
「別にトイレを探しているわけじゃないよ!!」
辺りを注意深く観察してみたがトメの姿は見当たらない。もしかして前回のこともあって遠くから能力を使っているのか......?
おかしい......間抜けなやつだからその辺に居ましたって落ちだと思ったのに......
「あ、分りましたよ、姫様! コロネ様が戻られなくて心配なのですね!」
ナナリーは手を組んでニッコリとほほ笑んだ。
なんでコロネ? コロネはクララさんと一緒に出て行ったんだから多分大丈夫でしょ? ......いや待て! そうだ! これを理由にコロネを探すふりをすればトメを見つけることができるかもしれないし、お見合いも中断できてまさに一石二鳥じゃないか。
「じ、実はそうなんだ! あれぇ? コロネったらどこまで探しに行っちゃったんだろうな! 全く! しょうがない子だね!」
ちょっとわざとらしかったかな?
「アイネ姫......」
ザックス王子が僕の目をじっと見て手を握った。
う......もしかしてお見合いから逃げようとしているのが読まれたのか。
「素晴らしい考えです。大変申し訳ないのですが、様子のおかしいメイドがいたこともありこの城内も安全とは言えません。すぐにでも彼女の安全を確保するべきでしょう」
さすが性格イケメンのザックス王子だ。僕の言葉をそのままの意味で受け取ってくれたようだ......というかどさくさにまぎれて手を握るんじゃないよ。
「分りました。コロネ様は南西の中庭の方を探しているようですので迎えに行きましょう」
メイド長がコロネの居場所を......ってなんで場所まで分かるんだよ! いや......メイド長ならおかしくないか......
凜風(リンファ)はおやつの準備をするために残り、残りのメンバーでコロネを迎えに行くことになったのだった。
......あれ? 目的地に真っ先に行ったらトメを探せないじゃないか!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます