第319話 過去との違和感
突っ込んでみたけれど中華料理を知っているってことはおそらく異世界から来た可能性が高いと思うから日本食のお寿司を知っていても当たり前か......
「夕食の予定は決まったわね。それじゃあここからは若い2人でお庭でもお散歩していたらどうかしら?」
カレンさんはどうやら意地でも僕とザックス王子をくっつけたいらしく提案を......
「......ってカレンさんもそんなに年変わらないでしょ!!」
「ま、細かいことはいいからさ、さ!!」
そう言ってカレンさんは僕とザックス王子を部屋から追い出して扉を閉めようとしたが途中で止まった。
「あ、そうだ。これ......」
カレンさんは僕の手の上に何か乗せて扉を閉め切った。そして手に置かれた何かを見る......
――――――男とイチャイチャする108のテクニック集
つまり僕にとって何の役にも立たない本だった。
「いらないよ! こんな本!!」
僕は思いっきり外に向かって投げつけた。
「アイネ姫? とりあえず庭に出ましょうか」
ザックス王子の提案で僕たちは庭に出るのだった。
庭に出ると僕はザックスの花壇の花や植えられている木などについて豆知識みたいな話をしばらく聞くことになった。2人の共通の話題もないもないので他愛ない話をしたんだろうけどザックス王子には悪いけど退屈そのものだった......
「アイネ姫、お寿司についてさっき聞かれていましたね?」
ザックス王子は突然話題を変えた。
「え? まあ、聞いたけど......?」
不意に質問されて僕は驚きながら答えた。
「先ほどは口を挟みませんでしたが、姉上はお寿司を過去に何度も作っていました」
「それはどういう?」
ザックスの言葉に僕は不思議に思いながら答えた。
「はい。実は私たち兄弟と仲が良い国がありまして、そこの姫様がお寿司を作ることが得意でした。ですので姉上はその方にお寿司の作り方を習ってから頻繁に作っておりました。ですがなぜか最近は全く作らなくなったのです」
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