第313話 何その恥ずかしい名前!
馬を走らせること20分くらいでザックス王子のお城に到着した。馬に乗るのは馬車に比べると揺れが激しくて長時間乗るのにはやや乗り心地は良くはないけど、これはこれでなかなか貴重な体験ができたんじゃないだろうか。
それで今はメイド長が事情を説明しているところだ。やけにザックス王子のメイドがこちらをチラチラ見ているようだけど気のせいだろうか?
「......と言う訳で救護の方を用意していだけないでしょうか」
「はい。承知しました。後ほどお見合い担当のメイドが参りますので少々お待ちください」
ザックス王子のメイドはメイド長の話を聞いて急いで城に戻った。
「いやぁ、それにしても大変でしたね。姫の姉御」
さも平然と会話に入ってくるリーゼント親分。ちゃっかりリーゼントたちも着いてきたようだ......アスカは着いて来ていないのに。
「貴様ら! 何の用だ! ここがザックス殿下の城と知って攻め込んできたのか!?」
当然のように兵士に目を付けられたようだ。
「ふざけるな! 俺たちはそんな目的でここに居るんじゃない! こちらにいらっしゃる姫の姉御をお守りしている、
「やめて! 何その恥ずかしい名前!」
リーゼント親分のアイドルの親衛隊みたいなネーミングにすかさず僕は突っ込みを入れずにはいられなかった。
「そちらの方は......はっ! アイネ姫様!? し、失礼しました。まさかアイネ姫様がこちらにいらっしゃるとは思わず申し訳ありません」
兵士は慌てて頭を下げてその場を立ち去った。
「お待たせしましたアルよ。私が案内しますから着いて来るヨロシ」
メイド服にお団子頭の女の子が現れた。どうやらこの子が今回僕たちのお見合い担当なのだろう。
え? 年齢が知りたいって? 女性に『いくつですか?』って聞くのは失礼だし、僕の直感でずばり当ててみよう......僕より2つ上と見た!
「ああ、そうアル。そっちの人たちは付き添いはご遠慮してもらうアルよ」
お団子メイドはリーゼントたちを指差した。
「ふざけるな! 俺たちがついて行かないと姫の姉御に万が一......」
リーゼント親分の言葉の途中で止まった。なぜならお団子メイドが一瞬のうちにリーゼント親分の顔に蹴りの寸止めをしていたのだ。
「お前のような雑魚はかえって邪魔になるアル。そこで門番でもやっているヨロシ」
このメイドもどうやらマーラと同じ戦闘タイプのメイドのようだ......って自分で考えてて何だけど戦闘タイプって何だよ! メイドは戦闘するもんじゃないだろ!
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