第303話 アーロンの正体
アーロンは地面に転がった銃を手にした。
「アーロン! わしらのことは気にするな! お前は残った民たちを守るために生き残らなければならない!!」
先ほどアーロンに話しかけていた白髪交じりの男が地面に横たわりながら叫んだ。
「このジジイまだ生きていたのかよ。さっさとあの世に行きな!」
敵兵の1人が白髪交じりの男の頭に銃を突き付けて発砲した。完全に致命傷のようでもう動かなくなってしまった。
「うぇ......お母さん......お母さーん!!」
先ほどの少女が目から大粒の涙を流して泣きじゃくっていた。
「うるせえガキだな。ついでにこいつもやっちまうか!」
敵兵は少女の頭に突き付けた銃の引き金に手をかけようとする。
「やめろ! やめてくれ!」
アーロンは手を伸ばして叫んだ。
「ならあんたがやることは決まっているだろ?」
あねさんと呼ばれた女はアーロンが手に持った銃を指差した。
「ああ、分っている......やはり幼女を見るとどうしてもマロンの笑顔がチラついてしまいやがる......」
アーロンは自分のこめかみに銃口を向け発砲するとその場に倒れて動かなくなってしまった。
「分ったのにゃ」
タマは閃いたように呟いた。
「え? 何が? トイレはどう行けばいいとか? 実は僕も我慢しててさ......」
「そんなこと知らないにゃ! その辺で済ませてこいにゃ!! そうじゃなくてアーロンの正体にゃ!」
相変わらずタマの突っ込みは激しいな......トイレに行けないのは大問題だろう!! いや、そんなことより......
「アーロンの正体?」
僕はタマに尋ねた。
「アーロンはスザクだにゃ! この銃の腕どこかで見たと思ってたんにゃけどスザクとに過ぎているにゃ! 私も幼女幼女と言われて鬱陶しい変態としか思ってにゃかったけど幼女好きにはこんな理由があったにゃんて!」
言われてみればそんな気もするな......ってタマも幼女って言われていたのか!? 18歳未満だろうし言われそうだね......今はそれより......
この世界の住人たちの動きが完全に止まっていることに気づいた。。
記憶の持ち主が死んだらこの後どうなるんだろうか?
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