第300話 バトルシーンって解説役欲しくなるよね
「次はお前の番だな」
アーロンは銃を目の前の兵士に向けた。
「ちょ、調子に乗ってるんじゃねぇぞ!! 戦車......そうだ、戦車で攻撃すれば......」
怯えながらそう言った兵士もアーロンの銃弾で葬られた。敵も危険を察してすぐに戦車の銃口がアーロンに集まる。
「危ない! あれじゃアーロンも......ってあれ? アーロンはどこに行ったの?」
僕は辺りを見回すようにキョロキョロする。
「あっちにゃ! どこを見ているんだにゃ?」
タマは遠くの方を指差した。
「え......何であんな所に居るの!?」
「何でって......さっき移動してたのにゃ。もしかしてボーっとしてて見てなかったのかにゃ?」
さも当たり前のようにタマは言っているけど常人には見えないからね! と言うかタマは何で見えるのってこっちが聞きたいくらいなんだけど!!
「戦車か......ならこっちで相手をする必要があるな......」
アーロンは肩にかけていたもう1つの銃で戦車の銃口の穴に向け弾を放った。するとすさまじい爆音とともに戦車を破壊した。どうやら戦車内の砲弾を爆破したようだ。そしてすぐさま移動し始める。
おっと僕も読者のために必死にアーロンを目で追わなきゃ......何かどこかのバトルマンガみたいに目で追えない人の動きをするのはやめて欲しいところだけどそれを伝える術がない以上僕が頑張って目で追うしかないのだ。
僕がそんなことを考えている間にアーロンは次々と戦車を破壊していく。
え? さっきは見えなかったのに何で今回は目で追えているのかって? 幸い今回は爆音がした方を見ればアーロンが居たから何とか目で追えたんだよ!
「ば、化け物だ......こ、こんなやつに勝てるわけないだろ!!」
戦車はすべて破壊され、歩兵ももう両手で数えられるくらいの人数になったころにようやく敵兵たちは逃げだしたのだ。
「アーロンさん! 大変です! 反対側から敵兵が侵入し住民を人質に取っています......」
街の方から慌てて走ってきた兵士が息を切らしながら報告をした。
「ああ、分っている......」
アーロンは武器をその場に捨てて街の方に戻って行った。
「アーロンさん......なぜ武器を?」
その兵士がそう呟いたがまるで聞こえなかったかのようにアーロンは歩みを止めず進んで行った。
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