第284話 休憩も終わりにしてそろそろ行きましょう

 今にも戦いが始まりそうなところでメイド長が口を開く。

「姫様、そろそろ休憩も終わりにしてお見合いに向かいましょう」

「え? このタイミングで? 今にも始まりそうな感じなのに?」

 僕はメイド長の提案にそう返さずにはいられなかった。

「はい。長くなりそうですのでこのあたりで向かうのが良いかと」

 メイド長がギャグを言うのは珍しいなと思ったけどどうやらギャグではないらしい。どうせなら

「ちょっと待ってください! 最近このあたりには愛羅武龍鰔漸斗アイラブリーゼントという盗賊団が徘徊しておりますのでとても危険です。この4人はその警護のために呼んだのです」

 なるほどこの変態たちを呼んだ理由は分った。だけどそんなことより......僕はその盗賊の名前のダサさの方がに気なってしかたがない。

「そういうことなら(変態たちを同行させるのは嫌だけど)よろしく頼むよ」

「ちょっと待ってください! それだけじゃダメなんです!」

 僕の言葉に割り込むようにゲンブが異議を唱える。

「なんだ、ゲンブ!? な、何か問題でもあるのか?」

 キリンさんが少し焦ったように聞き返えした。

「ええ......とても問題です。この中には還暦を過ぎた女性が......」

「良いから早く行け!!」

 ゲンブの言葉を遮ってキリンさんは立ち上がって宣言したのだった。ということでいろいろあったが変態たちと一緒にザックス王子の元に向かうことになったのだった。


 キリンさんのところを出発し馬車を走らせる。

 むしろこのまま僕の家に向かってくれないかなとか思ってしまうがそんなことは起きないことは分っている。

「今更なんだけどスザクはキリンさんのところで働いているの? 幼女しか守りたくないとか言ってたのに?」

「良い質問だな。美幼女以外からの質問なら答えてやらないところだけど美幼女の質問なら答えない訳にはいかないな」

 世間話をしようとしただけなのにやけにハードルが高いんだね。

「美幼女を守っているのはただの副業だからだよ」

 そりゃそうだよね!! 男の依頼は受けず美幼女からはお金を取らなかったら収入ないもんね!!

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