第285話 この人強いんですか?
「姫様、この人本当に強いんですかね? ただの幼女好きにしか見えないんですけど?」
アスカが僕の肩を指でツンツンとして尋ねる。
そうか......前回助けてもらったときにスザクが銃を撃ったことを知らないからアスカはこの人の強さが分らないんだ。
「聞き捨てならないぞ! オバサン!」
「オバっ!? 私はまだ19歳ですよ! ピチピチなんですよ!!」
スザクのオバサン発言にアスカは顔を真っ赤にして怒りをあらわにする。
「18歳以上は皆等しくオバサンだ! このオレの実力も分らんやつなどオバサンで十分だ!!」
スザクはまったく理解できない理論でアスカをオバサン認定した。
まあこのままだとアスカが可哀そうだから代わりに僕が質問をしてあげることにしよう。
「スザクは何でそんなに強いの?」
『スザクって強いの?』と聞いてしまったら怒らせてしまい答えてくれないかもしれないのでこう尋ねる。
「実はオレは前世の記憶があるんだ」
「ぷっ! 前世の記憶? 何言ってんですかねこの人?」
スザクの言葉にアスカは笑いを漏らした。
「黙れオバサン! 俺は美幼女のアイネ姫様と話しているんだ!」
スザクのオバサン発言にアスカがまた顔を真っ赤にして掴みかかろうとするのをナナリーがなだめるように取り押さえていた。
前世の記憶......もしかしてスザクは異世界から来た人?
「オレは前世でずっとコイツを使って人々に願われるままに敵を排除し続けたのさ。そしてそんな生活を続けていたらオレに勝てるやつはある“1人”以外居なくなったってわけさ」
スザクは胸のふくらみを親指で指示した後、窓の外を眺めながら遠い過去でも思い出しているような顔をする。
ある1人、いったい誰のことだろうか? ......いややっぱりどうでもいいや!
「そんな心配そうな顔をするな。今回は本業の方で君を守ってあげるから安心してくれ」
スザクはグッジョブサインで白い歯を輝かせる。
......“君”じゃなくて“君たち”であることを願ってるよ。僕だけ守るんなら本業も副業も変わらないからね!
「うん。よろしく......」
「おっと、どうやらお客さんが来たようだな。馬車を止めてくれ」
僕の言葉を遮ってスザクが馬車をとめるように指示した。
外を見てみると馬に乗ったリーゼントの男たちが何人も集まってきたのだった。
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