第263話 突っ込み要員を増やせるんじゃないだろうか?
「あの......続きを話してもよろしいですか?」
おっと......メルダリンを放置してしまっていたようだ。
「メルダリン、もしかしてあなた自分がセクハラされないから妬いているんですの? 仕方ないから今度セクハラ......」
「しなくていいです!!」
アリスの言葉にすかさず突っ込みを入れるメルダリン。やっぱり彼女も突っ込み要員に加えた方が良いんじゃないだろうか? おっと、今はそれより......
「ごめん、メルダリン。続きをお願い」
メルダリンはコクリと頷くと話を続ける。
「確かに素晴らしい能力を手に入れて当人は楽しい人生を送っているのですから疑問にも思わないでしょう。ですが異世界に移動するということは元々その人がいた地球の魂を異世界に移動するわけですから、地球で生まれるはずだった人が生まれなくなり地球における人の数が減少します」
「理屈は分かるけど死後の国で人生を選ぶ時に『記憶も何もかも忘れてリセットして初めからやり直す人生』を選ぶ人もいると思うしそんなに影響があるかな?」
メルダリンは俯いて首を横に振る。
「いえ......その選択肢は正確には違います。『記憶も何もかも忘れてリセットして“異世界で”初めからやり直す人生』なのです。だから、どう選んでも確実に地球で生まれる人は減り、そして最後には人が居なくなるでしょう」
何だって!? メルダリンのこの発言が本当ならそもそも地球で生まれ変わる手段なんて初めからなかったってことじゃないか!?
「ちょっと待って欲しいですわ!!」
アリスは突然立ち上がってテーブルに手をつく。
さすがにアリスもこの発言には無関係でいられなかったという......
「それじゃあ地球のナース服美少女、ミニスカポリス美少女、セーラー服美少女、スク水美少女やブルマ美少女にセクハラできないじゃありませんの!!」
訂正。アリスはそんなことは気にしていないようだ......しかも、この期に及んでいろんなコスプレ美少女にセクハラすることしか考えていないらしい。
「ブルマなんて今の地球じゃ着ている人居ないよ!! ......いやでも、この世界にブルマ着ていた少女が居たから探せば居なくもないかな?」
僕はアリスの発言に突っ込みを入れた後思い出したように呟いた。
僕の発言に反応するように青ざめた顔でメルダリンは僕に顔を近づける。
「アイネ様!! そのブルマ少女はどこで会ったんですか!? 身長は!? あと分かるだけ特徴も教えてください!!」
「え? どうしたの急に......? 会ったのはロイド王子の家で、身長はこれくらいで、特徴は......」
僕は手でブルマ少女の身長を示した後、分る限りブルマ少女の特徴を教えた。
「やっぱり......ニオベのやつこの世界に......」
メルダリンは悔しそうな顔をして右手の親指の爪を噛んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます