第262話 ラノベと何の関係が?
「コホン......では『歪んだ女神システム』についてお話しましょう」
とりあえずメルダリンを女神と不本意ながら認めたおかげでやっと話が前に進むわけだ。丁寧なしゃべり方をするのも女神っぽく見せるためだと思うと笑ってしまいそうだ。こらえるんだ僕!!
そんな僕の様子を気にすることもなくメルダリンは話を続ける。
「アイネ様はラノベとか生前読んでましたか?」
「え? まあ......たしなむ程度には」
何で今ラノベの話題? 女神となんか関係が......?
「なら話が早いですね。昔の女神はだいたいラノベとかに出るような感じだったんです。あの死んだら目の前に女神様が現れて『人知を超えた力をあげるから異世界に行って世界を平和にしてきてね』みたいなよくあるやつです」
ふむふむ......メルダリンの言っている昔の女神ってのはなんとなく想像できるぞ。
「あれ? でもそれって僕のときも似たようなものだったと思うけど......世界を平和にしてきてとは言われなかったけれど。そもそもこの世界は平和そのものだからそんな必要ないと思うけど......」
「いいところに気づきましたね。異世界に行ってもらうのは放っておくと世界が崩壊するなどと言った非常に稀なケースなのです。今みたいに平和な世界に行ってもらうこともないし、何人も異世界に行ってもらうなんてことはしてなかったんですよ」
いつの間にか知的な雰囲気を出すためかメルダリンがメガネをかけて指示棒を手に持っていた。
「でもそのおかげで能力を手に入れたみんなは素晴らしい第2の人生を送ってるからいいことなんじゃない? 僕みたいに理不尽な人生を送っている人もいるけど......」
自分で言ってて悲しくなってきた。
「大丈夫ですわ! お姉様は私が素晴らしい第2の人生を送れるようにお手伝いさせていただきますわ!」
気づいてみればアリスは座っている僕のスカートに潜りこんでいた。
「アリスにセクハラされているから現在進行形で素晴らしくない人生なんだけど?」
「大丈夫ですわ! いつかセクハラされることも喜びに変えてみせますわ!」
アリスは僕を変態の境地に連れて行くつもりなんだろうか? 言っておくけど僕はそっちの道には絶対に行かないからね!!
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