第259話 目的を聞き出そう
問題も解決したしほとんどのお嬢様方はのほほんとしてて、メイドたちもそれにつきっきり。だから今は異世界転移とかの話をしてても気にとめる人はいない。つまり......尋問チャーンス!!
僕は目を輝かせてここぞとばかりにトメに質問をする。
「トメはみんなを喧嘩させて何がしたかったのかな?」
「ここに居るお嬢様方同士で争ってくれれば邪魔な貴族や王族が消せるのら。そうやっているうちに私がこの世界の頂点に君臨するのら」
トメはのほほんとなった副作用なのか舌がうまく回らず変な言葉使いになっている。
......動機も残念系の悪役っぽい。序盤で主人公にあっさり倒される系の雑魚キャラの......ね。おっと今は余計なことを考えている場合じゃないぞ! シャーリーさんの能力が効いているうちに聞くこと聞いとかないと!
「トメはワールドオーナーの協力者なの?」
「ワールドオーナーってなんなのら?」
トメはワールドオーナーを知らない。つまりワールドオーナーとは無関係なのか......
そんなことを考えているとトメはそのまま言葉を続ける。
「ワールドオーナーは知らないですけど私はある人物と協力しているんですよ......」
あれ? トメの口調が戻った......?
「あの、シャーリーさん。これもしかして?」
僕はトメを指差しながら尋ねる。
「あらあら......どうやら元に戻ってしまったようね」
シャーリーさんは自分の頬に右手を当てて首を傾けていた。
「だったら......シャーリーさん! もう1回さっきのやって!」
「え? できないわよ? 悪意や敵意をなくす能力だからさっき消しちゃたから使えないのよ。その副作用でちょっとの間のほほんってなるだけなのよ」
さすがにアリスの嘘封じの能力ほど強力なものじゃないってことか......というか副作用の能力強くない!? どうして僕の能力だけこんなに使えないんだよ!!
「それよりお互いそろそろこの話はやめた方がいいんじゃないですか? 他のお嬢様方に話を聞かれますよ?」
トメの言うことはもっともだ......異世界転移の能力についてこの世界の人にバラすわけにもいかないからトメをこれ以上どうすることもできないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます