第255話 王族や貴族とはいえど
ヒナのメイドに謝罪の正しい知識と迷惑をかけたことを説明した。
「ああ、よかったです。アイネ姫もそれならそうと最初からそう言ってくださいよ!」
ヒナのメイドさん......気づいていないと思うけど既に言ってるからね?
「ほなうちは今から昼食の準備をするさかい。ちょっとまっとって」
ヒナはそう言って部屋を出て行こうとする」
「え? ちょっと待ってヒナが作るの?」
「せや。貴族とは言え料理くらい作れなな。ダラダラしとったらあかん。ダメ人間になるさかい」
ヒナは僕の呼びかけに足を止めこちらを振り向くとガッツポーズを見せた。
......あれ? 何か今の言葉僕に当てはまるような? もしかして僕ダメ人間? ヒナのことを見習って何か僕にできることないか探してみようかな......
「それでは私もヒナ様の手伝いをしますのでここで失礼します」
ヒナのメイドも一礼をして部屋から出ていく。気づいてみれば部屋の外は静かになっていた。
アイギス王子もどこかで男子会でも始めたのかな? きっとあっちも楽しく語り合っている......かもしれない。
僕は3秒だけアイギス王子の身を案じてあげた。
「ヒナはああ見えて意外と家庭的なんですよ」
突然横から話しかけられた。その相手はヒナと目玉焼き論争をしていたメガネちゃんだ......そろそろこの子の名前も知りたいところだ。
「でもそういうのも女の子らしくていいんじゃないかな? 自己紹介がまだだったね。僕の名前はアイネ。ところで君の名前は?」
僕はそう言って手を差し出す。
「あ、はい。よろしくお願いします。私の名前は......です」
おや? メガネちゃんの自己紹介......名前のところだけよく聞こえなかったぞ?
「えっとよく聞こえなかったんだけどもう一度言ってもらえる?」
「トメ! トメですよ! 古臭くておかしいですよね!! 笑いたければ笑ってくださいよ」
トメは半泣きで今度はしっかり聞こえる声で答える。
自分の名前にかなりコンプレックスを持っているようだね。僕は古臭いとかそれ以前に日本人っぽい名前なのが気になるな......
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