第254話 うちかて恥ずかしいで
「ちょっと! 私がまたアイネ姫様やシャーリー姫様に迷惑かけているんじゃないですよね!?」
ヒナのメイドが手に持っているおたまでヒナの頬がゆがむくらい押しこんだ。
「何すんねん! そんなんしたことあらへん!」
ヒナが可哀そうだし助けてあげよう......
「あの......ヒナのメイドさん。別にヒナは迷惑......」
「どんな迷惑なことしたか正直に言ってください! 今度必ず謝罪させますので!! すみません! 本当にすみません!!」
ヒナのメイドはヒナの頭を掴んで何度も頭を下げさせる。
これはまた話を聞かないタイプの人だね......というか今度と言いつつ今、謝っているんだけど?
「これは水着を着てもらうしかないですね」
ミランダさんがここぞとばかりに横から余計なことを言い出した。
おそらく僕が水着を着ないので標的を切り替えたと言ったところだろう......ヒナは水着について好感触だったし。
「え? 水着と謝罪にどういう関係があるのですか?」
ヒナのメイドは素で返しちゃったよ......そして僕のときは話を聞いてなかったのに何でミランダさんの話はちゃんと聞いているんだよ!!
「理由は明確です。謝罪をするときはすべてをさらけ出して謝る......これが正しい謝り方です。つまり水着以上に謝罪に適した服装はない......違いますか?」
ミランダさんはそれとなく説得力のありそうなことを言っているがめちゃくちゃな理論にしか思えない。こんな説明を聞いて水着を着るわけが......
「なるほど......さすがミランダ様です」
いや......どのあたりがなるほどなんだよ! 共感できる部分がこれっぽっちもないよ!!
「なら服を全部脱いで裸で土下座させるんでそれで許してください!!」
このメイドはまた変な方向に勘違いしちゃってるし......というか主人を全裸にさせるって......
「え、ちょっ......さすがにうちかて全裸は恥ずかしいで......」
ヒナもさすがのこの展開に恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
「いいえ! 数々のご無礼を清算する意味でもやってください! そうですよね、ミランダ様!」
「ええ、まさにその通りですね! さあ脱ぎましょう! すぐ脱ぎましょう!」
ヒナのメイドの言葉に同調したミランダさんはいやらしい手つきでヒナに迫る。
「「だから全年齢設定だって言ってるでしょ!!」」
僕とシャーリーさんのダブル突っ込みが綺麗に決まったのだった。
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