第252話 覗きはいけません!
「え? アイギス殿下? なんでこんなところに?」
「パジャマ姿を見られるのは恥ずかしいわ」
おっと......パーティー参加者の美少女たちから困ったオーラを感じるぞ。男としてこれは見過ごすわけにもいかないな! とりあえずシャーリーさんに加勢してアイギス王子を部屋から追い出そう。パーティー参加者の美少女達が困っているのは見過ごせないしな!
僕も入口のアイギス王子の顔が見えるところまでところまで移動しした。
「アイギス王子、悪いんだけど出て行ってくれないかな?」
「え? なぜだ!?」
「なぜって......女の子たちが困っているし......」
僕の言葉を聞いてアイギス王子は顔を赤らめる。
「アイネちゃんの言う通りね! ともかく出て行ってもらえるかしら? 淑女のパジャマ姿を覗くのはマナー違反じゃなくて?」
「いや......それは違......」
シャーリーさんの圧力に負けてアイギス王子が後ずさりをしたところで何かにぶつかった。その何かとは......
「よぉ......王子様じゃねぇか。久しぶりだな」
さっき窓の外に居た刺青男のリーダーだった。
「ひ、ひぃ!! な、な、な、なんでお前たちがこんなところに居るのだ!? またおしっこちびりそうになったぞ!! 衛兵! 衛兵たちよ! すぐにここに来るのだ!」
アイギス王子は飛び退いて刺青男たちとの距離をとり叫んだ。するとすぐに武装した衛兵たちがアイギス王子を背に集まっていた。
おしっこちびりそうにって......これは杖を取りに行った時何もなかったわけじゃなさそうだ......
「衛兵たちよ! こやつらから小生を守るのだ!!」
アイギス王子は震える手で刺青男たちを指差した。
「なんだ? また前みたいに喧嘩ごっこでもしてくれるのか?」
一方の刺青男のリーダーはニカッと楽しそうな笑みを浮かべて指を鳴らしていた。
......というか今さっき前みたいにって言った? 何? もしかして杖は貰ったんじゃなくて奪ってきたんじゃないだろうな?
僕は念のためアイギス王子に耳打ちする。
「あの......杖の件なんだけどこの人たち奪って言ったんじゃないよね?」
「え、ああ......紹介状は受取ったから別に奪われたわけじゃないが......」
アイギス王子は僕に話しかけられて少し落ち着きを取り戻して答えた。
「じゃあ知らない仲でもないしアイギス王子はこの人たちと男子会でもしたらいいんじゃないかな? それじゃ!」
僕はそう言って入口のドアを閉める。この後アイギス王子の叫ぶ声がしたけど気にしないことにした。
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