第251話 不届き者は誰だ?
僕はパジャマパーティー2日目用のパジャマに着替える。
2日目と言ってもパジャマパーティーは今日で終わりなんだけどね......実に残念だ。せめて残りの今日1日だけでもなるべく美少女成分を補給しておかないとね!
「ちょっと......困ります! 男子禁制ですよ!」
外の方からおそらく誰かのメイドと思われる声が聞こえる。
何かあったのかもしれない......それにしても男子だって!? 全くこの美少女たちだけの素晴らしい空間を汚す不届きなやつは誰だ!?
「小生は王子だぞ! 無礼であろう! そこを退くのだ!」
このしゃべり方......そしてこの声聞き覚えがあるぞ......
ドアを開けて入ってきた人物はやはりというべきかアイギス王子だ。
「久しいな、アイネ姫。たまたま通りがかったので会いに寄らせてもらったぞ」
その前にどうしてたまたま通りがかったアイギス王子が僕に会いに来たのか聞かせてもらいたいのだけど。ここは僕の家じゃなくてミランダさんの家なんだけど?
「どうやら昨日この街で姫様を見かけた者がアイギス殿下に伝えたようです」
情報早くて助かるよメイド長。相変わらず僕が質問する前に答えてくれる有能なメイドで助かるよ。
「ちょっと! 王子とはいえ失礼じゃないかしら?」
このパーティー参加者で僕以外だと唯一の王族のシャーリーさんがアイギス王子の前に立ちはだかる。ミランダさんのつてだからこの国の貴族のお嬢様たちがほとんどなのでアイギス王子には頭が上がらない。
ちなみにアイギス王子は僕より背が低い。シャーリーさんは僕よりもかなり高い。そう僕の位置から見るとアイギス王子が完全に隠れてしまい全く見えないのだ!
そして口論する2人(まあ僕視点だと1人しか見えないわけだけど)を横目に各家のメイドたちがいる中マーラが居ないことに気づいた。
「メイド長、マーラはどこに行ったの?」
「マーラは今買い物に行かせております。昼食の材料が必要ですので」
なるほどね......これだけメイドたちがいるからマーラ1人くらい居なくても安全という判断だろう。ん? マーラと言えば......何だっけ? 何か忘れているような気もするけど大したことじゃないか!
そんなことを考えていると外から声が聞こえる。
「マーラさん、荷物持ちますよ。あっしら力だけは有り余っているんで!」
「べ、別に......い、いい......も、もう......つ、着いたから」
窓から覗いていると刺青男のリーダーっぽい人とマーラが話をしているのが見えたのだ。ついでにその後ろには刺青男たちがついて来ている。
ま、今回は襲いに来たわけじゃなさそうだし。気にすることでもないよね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます