第245話 可愛いは正義だよ!
「たこ焼き言うたら外も中もふわふわとろとろに決まっとるやないか!! 外がカリカリのたこ焼きはたこ焼きちゃう......あれは揚げたこや!!」
部屋中に色黒少女の大声の突っ込みの言葉が響く。どうやら能力が解除されさっきまで居たベッドのある部屋に戻ったようだ。
......って何の突っ込みだよ!! まあ助かったけど......
「くっ......まさか本当に関西人が居るなんて思わなかったにゃ......」
タマは爪を歯で噛んで悔しそうな表情を浮かべている。
「ん......ふわぁああ......こんな夜遅くに大声出してどうかしたの?」
そう言って体を起こしたシャーリーさんに続いて他のパーティー参加者も次々に目を覚ましていく。
こうなってくると能力の話とかをすることはできないな......まあでも能力の解除方法が分ったしそんなに脅威でもないから大丈夫か。
「もしかして怖い夢でもみたのではないかしら?」
「私でよければお手洗い、お付き合いしますわ」
色黒少女の元にパーティー参加者が集まってくる。
「ちゃうわ! 小さい子供ちゃうんやさかいそんなんでトイレに行かれへんくなったりせえへん!! ちゅうか怖い夢なんて見てへん。あいつと夢の中でちょい言い争いしとっただけや」
色黒少女はタマの方を指差した。
「そうなんですか? わたくしもタマ様が夢に出てきましたわ」
「え? あなたもなんですの? 偶然ですわね」
パーティー参加者は一斉にタマに視線を向ける。
さすがにこんなところで能力を使ったんだバレてもおかしく......
「タマちゃんは可愛いからみんな見惚れちゃって夢にまで出てきたのね!」
「苦しいにゃ......」
シャーリーさんはいつの間にかタマの隣に移動して抱きついていた。しかもパーティー参加者も口々に「ああ、そうですわね」と納得しているようだ。
あれだけ怪しい行動取ってたのに誰一人突っ込み入れないんだけど! ここに居るお嬢様方はどれだけ頭の中お花畑なんだよ!
......と突っ込みたいけどこの微笑ましい空間を男として壊すわけにはいかないね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます