第244話 あることを突き止めろ!
「それよりアイネ姫の記憶はとても興味深いにゃ......『ワールドオーナー』、そんなものが居るとはにゃ」
光の絵を眺めながらタマはうんうんと頷いている。
待てよ......もしかして『あること』とは他によくある展開だともしかしてタマを倒すことじゃないだろうか? ついに僕の本気を見せるときが来たってことか......今までは有能なメイドたちに守られれて力を発揮できなかった。今こそ秘めたる僕の力を見せてやる!
「うぉおおお!」
僕は大きく腕を後ろに引いて全力の1撃を拳にのせてタマを殴る。
ポカリ!
可愛らしい効果音が鳴った気がする。
「何しているんだにゃ? 全然痛くないんだけどにゃ? そもそもこの世界だと私に物理攻撃も効かないし、異世界転移能力も発動できないんだけどにゃ!」
何それ! タマの能力ってチートすぎるだろ!!
「だけど今の攻撃でもゆっくり記憶を見るのに邪魔されるのもうっとおしいんだにゃ! オオカミたち! 現れるんだにゃ!」
タマが手を前に差し出すと黒いゲートのようなものがいくつも現れてオオカミたちが現れる。
「あれ......このオオカミたち見覚えが......」
ここに来る途中......羊を数えてた時に現れた。確かあの時は......目が覚めた時に突っ込みを入れて......
「はっ!? もしかしてこの能力の解除条件は突っ込み!? なら......」
「オオカミたち急いでアイネ姫を取り押さえるんだにゃ!
僕が突っ込みを入れる前にオオカミたちが一気に僕に覆いかぶさる。その内の1匹がガムテープに変化して僕の口を塞いだ。
「うー!! うー!!」
ダメだ......しゃべれない。
「まさかアイネ姫が私のこの能力を唯一破った人だったとはだにゃ! そう......この能力は私以外が突っ込みを入れると能力のすべてが解除されてしまうのにゃ! 後ちょっとだったのにおしかったにゃ!」
タマは満足そうににやりと笑うと数歩下がって再び光の絵を眺める。
「うー!! うー!!」
(唯一と言っていい突っ込みキャラに突っ込み封じをするなんて! ギャグ小説として成り立たないじゃないか!!)
と聞こえるはずもない突っ込みを僕は入れてみるがどうやら声に出さないとだめらしい。
「無駄だにゃ! そこで静かにしてるにゃ! どういうわけかこの世界の人たちは突っ込みをほとんどしないから絶対に破られないにゃ! まあ関西人でも居たら危なかったかもしれないけどだにゃ!」
関西人? あれ? もしかしてこれはフラグなのでは?
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