第224話 バレてしまったかもしれない!?
「え? な、なんのことかな?」
やばい、やばい、やばい!! 動揺するな僕! 変な動きをすれば余計に怪しまれる。
「アイネ姫様が異世界転移者である根拠その1......立ち振る舞いが不自然。姫様ともあろう人がそんなガニ股で歩くはずがないです」
ブルマ少女はかがんで僕を見上げるように見つめる。
歩き方!? そんなところまで見られていたのか!?
「えっと......僕、ちょっとお転婆なところがあって、あはははは!」
何とかごまかせたか? 強引でもいい! 悟られないようにしないと。
「ふーん。そうですか。根拠その2......話し方が不自然。姫様なのに言葉使いがくだけ過ぎています。仲のいい人と話すならまだしも初対面の私にこの話し方はおかしいです」
ブルマ少女は立ち上がって僕の横を歩き始めた。
そう言えば、コロネも最初のころは姫様っぽいしゃべり方してたな......じゃなくてごまかさないと!
「えっと......僕は気軽に話ができる姫様を目指していてついこんなしゃべり方しちゃうんだ」
自分でも思うが苦しすぎる言い訳だ......というかブルマ少女鋭すぎない!?
「まあ、100歩譲ってそうだとしましょうか。根拠その3......」
ブルマ少女は僕の肩に手を回して顔を引き寄せた。
え!? まだ根拠あるの!?
「どうしてワールドオーナーという言葉に反応しましたよね?」
「え、いや......なんのこ......」
僕の否定の言葉をかき消すようにブルマ少女は声を大きくして言葉を続ける。
「いいえ、知っていますよね? なぜなら私には人の考えていることを読む力が......あったらいいなぁ」
「ないのかよ!!」
ブルマ少女に突っ込みを入れてしまった。
「それは冗談です。というか初めからアイネ姫様が異世界転移者でワールドオーナーを探していることも知っていましたよ」
なっ! 何で知っているんだ......まずい僕も痴呆にするつもりなのか!?
「と言うことで異世界転移者同士仲良くしましょうね!! あ、でも正確には私は異世界転移者じゃないんですけどね!」
ブルマ少女は僕の両手を掴んで握手した。
「は? どういうこと?」
僕は状況が読めず聞き返した。
「言葉通りの意味ですよ......おっと、そろそろ時間だ! 私は用事があるのでこの辺で! またいずれどこかで会いましょう!」
ブルマ少女は腕時計のようなものを見た後、そのまま走り去っていくのだった。
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