第211話 中身も大事だと思うんだよ
しばらく進むと見知った顔がそこにあった。
「お待ちしていましたわ! アイネお姉様!」
お城の入り口のところでセレナちゃんとメイドが待っていたのだ。
「久しぶりだね。セレナちゃん」
変態じゃない美少女の笑顔は癒される。まさに天使の笑顔と言っても過言ではないだろう。
え? アリスはどうかって? 確かにアリスも僕に似ているから美少女ではある。それはゆるぎない事実だ。しかし! やっぱり中身も美少女じゃないと真の美少女とは言えないよ!
コロネは僕の肩を人指し指でツンツンとつついた。
「ねえ、アイネ。この子は妹なの?」
「妹ですわ」
違いますけど? 誤解されることを堂々と肯定しないでもらえないかな? セレナちゃん。
「へえ、全然似てないわね」
コロネは僕とセレナちゃんを交互に見ながら観察していた。
「まあ、そりゃそうでしょ。だって妹じゃな......」
「妹ですわ」
セレナちゃんは眩しいくらいの笑顔で僕の言葉を否定した。
......この子の姉になるだけなら悪い気分ではない。ロイド王子とは結婚せず、養子として迎え入れるとかなら、ね!
「アイネ、今何か言った?」
コロネは不思議そうな顔をして僕を見ていた。
どっちにしても現時点では妹ではないことは事実だし、コロネに誤解させたままというのも良くないな。とりあえず誤解は解いておこう。
「だからこの子は妹じゃ......」
「妹ですわ」
セレナちゃんは先ほどと同じく僕の言葉を言い切る前に否定した。
うん......どうやら今否定しても無駄そうだ。帰り道にでもコロネには真実を教えてあげることにしよう。
「あ、わたくしとしたことが立ち話なんて失礼でしたわ。さ、案内しますのでこちらへどうぞ」
僕たちはセレナちゃんの案内でお見合い会場まで誘導してもらうのだった。
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