第210話 女の子としてのレベルが上がったけれど
「エリシアさん、コロネもお見合いがどんなものか知りたいみたいだから参加させてあげてよ」
僕の必殺上目使いでエリシアさんを見た。
「アイネちゃんがそう言うなら......まあどうしてもダメってわけじゃないし......別にいいけど?」
エリシアさんは斜め右上の方を見ながらしぶしぶ承諾してくれた。
さすが僕の可愛さ! もうずいぶん女の子らしいおねだりの仕方ができるように......なんだか考えてて悲しくなってきた。なんで僕が女の子らしくなったことを喜ばなきゃいけないんだよ!
「アイネ、ありがとう。助かったわ」
コロネは小声で僕の耳元で囁いた。
まあ......今回はコロネが助かったからよしとしよう。
それから1時間くらい馬車を走らせるとお城が見えてきた。さらにもう少し進んだところで検問所のところで門番に声を掛けられた。
「エリシア様、また外を出歩いて......ダメって言ったじゃないですか!!」
やはりというべきか門番にまた呆れられていた。僕もエリシアさんは何度か迷子になっているのを見たけど多分それだけじゃないんだろうね。
「アイネ様、エリシア様は我々の方でご案内しますので先に城内へどうぞ」
「ちょっと! アイネちゃんと一緒なら別にいいでしょ!」
エリシアさんは兵士の言葉に異議を唱えた。
「いえ、エリシア様はちょっと目を離した隙に居なくなるので担当の者が来るまではここで待機させるようにとロイド殿下から命を受けていますので」
あれ王子と女王ってどっちのほうが上の身分だったっけ? エリシアさんよりロイド王子の命令を聞く門番って......
「姫様、ロイド殿下もお待ちだと思いますので早速向かいましょう」
「うん。そうだね」
メイド長の提案でまだ文句を言っているエリシアさんを放置して僕たちはお城に向かうのだった。
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