第195話 面接2人目!
「はい、じゃあ何か質問ありますか?」
サーシャはやる気のない感じでメルダリンに聞いた。
「いえ、私の方からはありません」
メルダリンは一言そう答えた。サーシャは僕のほうを見て尋ねる。
「では姫様何か質問はありますか?」
「僕も特にないよ」
「では、以上で面接を終わります。後ほど結果をお伝えしますので受験番号3594番は控室でお待ちください」
メルダリンは「失礼しました」と言って部屋から出て行った。
え? 何か話が飛んでないかって? 実はあの後アリスの能力でさっきの出来事だけサーシャの記憶を消すことにしたんだ。ワールドオーナーに不審に思われないようにサーシャには今まで通りメイドとして生活してもらうためにね。ちなみにメルダリンはさっきの様子を見て意外にもあっさりと僕がワールドオーナーじゃないと信じてくれた。だから今後協力してもらうために――――――
「メルダリンを雇ったらいいんじゃないかな?」
僕はサーシャに尋ねた。
「えぇ? 何言ってるんですか? 顔的にダメじゃないですか! 私のお勧めはそうですね......受験番号128番とかいいんじゃないですか? 顔が可愛いですし!」
「顔で決めたら面接の意味ないでしょ! というか受験番号で覚えてないから誰だか分んないよ!」
サーシャの様子を見てたら自然と突っ込みができるので僕の方も今まで通り振る舞えそうだ。
コンコンとドアを叩く音が聞こえ、ドアが開かれると「失礼しますだお」と言ってメイド服の小さな少女が入室した。
「姫様、この子が受験番号128番ですよ」
なるほどちっちゃくて確かに可愛い系って感じかな。アイドルにいそうな感じの子だな。
「よろしく願いしますだお!」
受験番号128番はまっすぐに手を上にのばして挨拶をした。
「どうぞ、お座りください」
サーシャは目の前の椅子を手で合図した。
「はーい。ありがとうだお!」
受験番号128番は少し椅子の高さが高いのかジャンプして椅子に腰かけた。
「か、可愛い!! ......姫様、これはもう合格でいいですよね?」
「いや、いいわけないでしょ! それに面接なのにまだ何も質問してないでしょ!」
いやらしい顔をしたサーシャに僕はすかさず突っ込みを入れた。
この子には悪いけどメルダリンに合格してもらうためここで落とさせてもらうよ!
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