第194話 協力者

「サーシャがワールドオーナーの協力者!?」

 僕は驚きのあまりそう呟いた。

「おっと......つい本当のことを話してしまいましたね。でも、大丈夫ですよ......

「どういうことだ?」

 メルダリンはサーシャを睨んだまま尋ねた。

「私の能力は時間を操る能力です。時間を止めたり、過去に戻ったりすることができるのです。つまり私がワールドオーナーの協力者であることを話したこともなかったことにできるんですよ」

「あの......僕が言うのも何だけどサーシャはこの状況で自分の能力ばらしちゃっていいの?」

「大丈夫ですよ、姫様。こういう状況だからこそ能力を教えないと見ている人に状況が伝わりづらいじゃないですか」

 見ている人って何? 読者に配慮してくれたってこと? ありがとう......いや感謝している場合じゃないぞ!

「それにさっき言ったじゃないですか。どうせ私が話した事実さえなかったことにできるわけですから問題ありませんよ」

 サーシャは勝ち誇った顔で僕に説明した。

「なるほど......つまりあなたから聞き出せばワールドオーナーの正体が分かるということですわね!」

 僕のスカートの中から声が聞こえたので下を見ると仰向けに寝転んだアリスがスカートから顔を出した。

「いや......ちょっと待って。何でアリスが僕のスカートの中に居るの? そしていから覗いてたの?」

「お姉様、そこに下着があるならどこでもいつでも覗きますわ。それがプロってものですわ」

 アリスはグッジョブサインをして僕の顔を見た。

 ......プロフェッショナルな答え方をしても変態であることに変わりはないよ?

「アリス様、私がワールドオーナーの正体を話すとでもお思いですか?」

「問題ありませんわ。私の能力はどんな相手でも1度だけなら嘘をつけない質問をすることができるのですわ!」

 アリスは立ち上がってサーシャの方を向いた。

 え? アリスの能力の制約このタイミングでばらすの? 使う前にばらして大丈夫なの!?

 アリスの瞳が銀色から赤く変色していく。

「動けな......まさか!? 本当に能力が!?」

 サーシャは自分の体が動けなくなりつつあるようで焦っていた。

「質問しますわ......」

 いいぞ! アリス! そのままワールドオーナーの正体を暴いてくれ!

「アリス様、姫様のスリーサイズ......気になりませんか?」

「お姉様のスリーサイズを教えていただけますか.......あ!」

 サーシャの言葉につられてアリスは僕のスリーサイズを聞くという間抜けな質問をしてしまったのだ。

 え? 僕のスリーサイズが気になるって? それは秘密だ!

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