第192話 前にも似たことあったよね

 これアリスのときと同じパターンじゃん。メルダリンもワールドオーナー探してますみたいなパターンかよ......全く期待させて落とすとか本当にやめて欲しいんだけど。

「はぁ......いやもういいんでそういうの。前にも同じのあったんで!」

 僕は少し面倒臭そうに答えた。そしてそんな僕の反応を見たメルダリンはさらに表情を険しくした。

「その反応......やはりつまりお前がワールドオーナーと認めたということか! 武器生成!」

 メルダリンの手が光に包まれ、次第に光が消えていく。そしてその手に握られていたのは銃だった。

「死ね!」

 ちょっ......さすがに銃持って『死ね』とかシャレにならない超展開すぎでしょ!

 メルダリンは引き金に手をかけて引いた。“バン!”という銃の発射音と同時に瞬間僕は目を閉じた。突然のことで僕はその場から動くこともできなかったのだ。

 あ、これ......死んだな......

 ............

 ......

 あれ? なかなか銃の弾があたらない? どういうこと?

 僕はゆっくりと目を開いた。するとサーシャが銃を取り上げ、メルダリンを組み伏せていた。

 え? サーシャってこんなに強かったの? 銃より早く動いて止めたってこと!? いやそんなことより......

「ちょっと待って......サーシャはただのBL好きの変態さんじゃないの!?」

 僕はこの言葉を言ったとき何か違和感を感じた。だけどそれが何なのかは分らなかった。

「姫様、何か失礼なこと言わないでくださいよ。私だってメイドなんですよ? これくらいできて当然ですよ。さて......」

 僕は不覚にもこの言葉に納得してしまったので僕は反論できなかった。

 サーシャはメルダリンのほうに顔を向ける。

「メルダリン、あなたは姫様の殺害未遂ですから当然処刑させていただきます」

 サーシャは取り上げた銃をメルダリンに向けた。

「くっ......私はこんなところで死ぬわけには、私には......」

 メルダリンが何かを話そうとしたところで“バン!”と音が鳴り、サーシャの持っている銃口から煙が出ていた。ちなみに間一髪でメルダリンはかわしたようだ。

「ちょっ......今から何か重要なこと話そうとしていたのに何で撃ったの!」

 僕はすかさずサーシャに突っ込みを入れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る