第185話 2次試験準備中
「あれ! もしかしてアイネ姫様じゃない! 噂どおり......いえ、噂以上に美人だわ!」
「本当だ! アイネ姫様だ......もしかして2次試験からはアイネ姫様が直々に査定をされるの!?」
「アイネ姫様、美人過ぎてまじ目の保養だわ! 何なら私はメイドじゃなくてペットでいいから雇ってもらえないかな? 私に首輪をつけて散歩して欲しいわ」
僕が試験会場に来たから会場がさらに騒がしくなってしまったようだ。最後に変な発言が聞こえたような気がするが聞こえなかったことにしよう。
「静まりなさい! これから、私語や勝手な行動を行うものは不合格にしますよ。姫様もご覧になっておりますが、試験官を行うのは私とこちらに居るサーシャです。それでは2次試験を開始します」
メイド長の一声で会場が一気に鎮まってしまった。僕がこの場に来て騒ぎになったのにも関わらずすぐに場を収めるとは......さすがメイド長だ。
「では、サーシャ2次試験の説明を」
「はい......では、皆さんには今配っている布巾を洗濯してもらいます。上位50人が2次試験の合格とします」
会場のほうを眺めてみると何人かのメイドが布巾、タライ、洗濯板、洗剤を受験者に配っていた。どうやら、以前にやったアスカとナナリーの洗濯勝負と同じようだ。
さて、ここからが本番だ......僕はこの中にいるかもしれないワールドオーナーの協力者を探さないと。協力者ということはワールドオーナーの事情もある程度分かる人、つまり協力者も異世界転移者か? だとしたらアスカみたいなポンコツでもない限り、洗濯のやり方が分らない人がいたら怪しいかもしれない。
「それでは全員に行き渡ったようですので早速始めてください」
僕が考えごとをしているうちに試験の準備ができたようだ。
「あの! 質問よろしいですか?」
「受験番号3594番のメルダリン、質問を許可します」
メイド長が手を挙げたメイドの受験番号と名前まで言い当てたぞ。どんな記憶力しているんだろう......
「この板は何でしょうか?」
このメルダリンという人、初めて洗濯板を見たアスカと同じ質問をした!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます