第171話 考え方が甘いんだよ!
その後、僕たちはニーナに連れられジーク王子のお城に向かった。そして、案内された部屋には僕のために用意されたであろう料理が並べられていたのだ。
「アイネ姫、先日は失礼した。今日は前回の中止した分も合わせておもてなししたい。好きなだけ食べて行ってくれ」
どいつもこいつも食べ物で人を釣ろうとして......考え方が甘いね! ハチミツに砂糖かけて食べるより甘いよ!
と、本来ならここで突っ込みを入れたいところだが、ワールドオーナーの動機という点において王子は皆怪しい。つまり、下手なことをジーク王子言ってご機嫌を損ねることもできないので僕は我慢した。
「わぁ......と、とても嬉しいです......」
僕は嬉しくないけど精一杯の笑顔で対応する。
男に笑顔を振りまく自分......悲しくなってきたぞ。だが、逆にポジティブに考えるんだ! ここには一番あやしいニーナ、それに王子であるジーク王子の2人がいる。もしかしたら今日中にワールドオーナーを見つける可能性もゼロじゃない。まずは王子に質問をしてみよう。
「ジーク王子は好きな食べ物なんですか?」
「そうだな......ステーキですね。戦いに必要な筋力をつけるならやはり肉が一番。肉料理もたくさん用意したのでアイネ姫もたくさん肉を食べて筋力をつけるといい」
女性に筋力をつけろってこの王子もしかして脳みそまで筋肉でできているんじゃないだろうか? ま、とりあえずそれは置いといて。
「ジーク王子はステーキが好きなんだ。僕は何と言ってもやっぱりお寿司だね」
話の流れで自然に日本の話題を出す。我ながらいい作戦だね!
「アイネ姫はお寿司が好きなのか。生の魚を食べるなかなか斬新な食べ物であったがあれも美味しかったな」
ジーク王子はお寿司を知っている! つまり日本のことを知っている!? じゃあワールドオーナーはジーク王子......
「アイネ姫の好物のようだから用意してもらえるか、ニーナ」
「はい、ジーク殿下」
ニーナは一礼をして部屋から出て行った。
わ、忘れていた! ニーナがいるからジーク王子が日本食を知っていても何ら不自然はないじゃないか!!
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