第164話 なんでそんなの持ってるの?
「では引き続き黒ずくめの者を見つけ出すのだ! そして見つけ次第必ず処刑する!」
「「はっ!」」
国王様の王様っぽい言葉にメイドと兵士たちが声をそろえて返事をした。
......忍者はあの感じだともうこの世界にいないと思うけど。助かってよかったね忍者さん。
メイドや兵士たちは散り散りと部屋から出て行った。
「国王様、王妃様。そろそろお時間ですのでお帰りの準備を」
セバスチャンは国王様の演説が終わったタイミングで2人に話しかけた。
「嫌じゃい! 嫌じゃい! 今日はほとんどアイネちゃんと会話しとらん! まだ帰りたくないぞ!」
「国王様、そんな理由で帰らなくてもいいとお思いで?」
国王様が何だかだだっ子のようなことを言い始めたが、当然セバスチャンに却下された。
「きゅ、急にめまいが......これはアイネちゃん成分が不足しているせいね。もう少しここでアイネちゃん成分を補給しないと帰れそうにないわね」
「あ、ずりぃ、ずりぃよ! だったらわしはアイネちゃん成分を補給しなきゃ死んじゃう病だからもう少しここにいることにする!」
王妃様の言葉につられて国王様もわけのわからない理由でここに止まろうとしていた。
「国王様、王妃様。ご安心してください。姫様が本日お休みの際にお召しになられていた服がここにございますのでこれで補給してください」
セバスチャンは見覚えのある服をひらひらとさせながら2人に見せた。
「ちょっと待って!! なんでそんなの持ってるの!?」
僕はすかさずにセバスチャンに突っ込みを入れた。
「「グッジョブ! セバス! それじゃあ帰りましょう!」」
国王様と王妃様はグッジョブサインをした後、セバスの背中を押してそのまま帰っていった。
もちろん僕の服をテイクアウトして......ね。というか僕の使っていた服で補給できるんだ......
とりあえず国王様と王妃様が帰っていったということはこの後は自由時間ということだ。忍者に言われたことを少し考える時間が欲しかったしちょうどいいか。
「姫様、お耳に入れたいことがあります。黒ずくめの者を探している部隊からアスカを発見したとの連絡がありました。数日で戻るとのことです」
メイド長がアスカの無事を教えてくれた。
アスカ......君はもしかして生命力はゴキブリ並みなの? と思わずにはいられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます