第163話 処刑しちゃうの?
「ひ......姫様!? 国王様! 王妃様! お庭に姫様が......姫様がいらっしゃいました!」
家の3階の窓を見上げると廊下に向かって叫んでいるカタリナの横顔が見えた。するとすさまじい足音が聞こえたかと思うと10秒後に国王様と王妃様にがっちりと抱きつかれる。
「「アイネちゃん」」
「く、苦しい......」
というかさっき廊下に向かって叫んで立ってことは国王様と王妃様3階にいたんじゃないの? 短時間で3階から降りてきたのこの人たち!?
「ご、ごめんよ。アイネちゃん」
国王様がそう言うと2人とも僕から離れてくれた。
「アイネちゃん、どこか怪我してないかしら? 大丈夫?」
王妃様は先ほどと同じく僕の体を触って確認し始めた。
「大丈夫だよ。ママ。今回もどこも怪我してないから」
王妃様も僕に怪我がないことを確認してホッとため息をついた。
「よかったわ......怪我してないわね」
そして少し遅れてカタリナも降りてきた。
「国王様、王妃様、姫様は大丈夫でしたか?」
「ああ......問題ない。それより先ほどの部屋に全メイドと全兵士を先ほどの部屋に集めよ」
「はい。承知いたしました」
国王様の命令を聞いてカタリナは一礼をして下がった。
なんだか嫌な予感が......
「ええい! この無能どもめ! アイネちゃんに怖い思いをさせやがって! 全員打ち首にしてくれる!」
先ほどの部屋に全メイドと全兵士が集まったのを確認して王様は宣言した。
ほらね! やっぱりこう言う展開になるよね!
「パパ、だめよ......」
王妃様が口を挟んで国王様を止めようとした。
さすがに全メイドと全兵士を処刑などというとんでもないことには王妃様も反対してくれるようだ。
「打ち首じゃお部屋が汚れるわ。絞首刑にした方が血が飛び散らなくていいわよ!」
「なるほど......全員絞首にする!」
よかった。国王様は王妃様の話を聞いて処刑方法を変え......
「......ってちがーう! パパ! ママ! 全員を処刑しちゃったら僕たちを守ってくれる人はいないよね? はい! ということで処刑はなしでいいよね?」
「「アイネちゃんがなしって言うならなしにしよう」」
国王様と王妃様は声をそろえて言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます