第157話 しぶしぶ盗賊団退治に行くらしい
「えぇ.......盗賊団のアジト行けばいいんでしょう......何人か連れて行く兵士呼んできます」
イェダンはおそらく休憩の邪魔をされたのが相当根に持っているようだ。ドボトボとメイド長の前を通り過ぎようとしたところで声をかけられる。
「イェダン、仕事が早く終わればその分は約休憩が取れますよ」
「はっ!? ならすぐに盗賊団のアジトに向かいます!」
一瞬にしてイェダンの姿が見えなくなってしまった。
さすがドヴァと同じくらいの強さだけあって脚力もすごいみたいだね......というか兵士連れて行くんじゃなかったの? 1人で向かって行ったんだけど。
「姫様、国王様と王妃様の元に戻りましょう。お2人ともご心配なさっています」
メイド長はそんなイェダンの様子を気にすることもなく僕に戻るように言った。
まあメイド長が心配していないならたぶんイェダンは大丈夫なのだろう。
「うん。戻ろう」
僕はメイド長とアスカと一緒に国王様と王妃様がいる部屋に戻った。
「「アイネちゃん!!」」
部屋に入るのとほぼ同時に国王様と王妃様にがっちりと抱きつかれた。
す、少し苦しい......が、国王様と王妃様がいかに心配していたのかが伝わって少し嬉しい感じもする。
「アイネちゃん大丈夫だった? 怪我とかしてないかしら?」
王妃様は僕の体を触って確認し始めた。
「だ、大丈夫だよ、ママ。ドヴァが守ってくれたから怪我しないで戻って来れたよ」
「そうか......なら良かった。だが、やはりアウラのことは許せん! アイネちゃんを危険な目にあわせて死罪にしないとな!」
国王様は僕が無傷で戻ってきてもやはり危険な場所に連れて行ったことに怒りを覚えているようだ。
あと、国王様抱きつきながらのお髭すりすりは痛いのだけど......
「えっと、パパ。無傷で戻ってきたのに死罪にしちゃアウラが理不尽すぎるんじゃないかな?」
「うんうん。アイネちゃんがそう言うなら無罪にしてあげよう」
やっぱり人の命なのに僕の言葉1つで簡単に決まっちゃうのね......
「失礼します! 黒ずくめの人物がこの家に入りこんだようです!」
その兵士の言葉を聞いてその場にいる皆の注目が集まった。
「なんだと!? で、その者は今どこにいるのだ?」
国王様がすぐさま兵士に聞き返した。
「どこに......? ふふっ......ここにいるッスよ!」
忍者は自分の鎧を脱ぎ捨てて忍者の服装になった。
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