第154話 姫様の手下?
「何だテメェ......俺たちにいちゃもんつける気か? 腕の2本や3本切り落とすぞ! コラァ!」
刺青の男の1人がしゃがみ込んで、盗賊の胸ぐらを掴んで脅していた。
......一応突っ込んでおくけど腕は3本ないからね。
その様子を見て周りにいた刺青の男たちも盗賊を取り囲むように並び始めた。ちなみに意外にも街の人たちは刺青の男たちを恐れる様子もなく刺青の男と盗賊のやり取りを眺めていたのだ。
「ちょ、まっ......助けてください姫様ぁ......冗談ですよぉ! 俺たちが本気で街を襲うわけないじゃないですかぁ」
盗賊がくるりと僕のほうを見てなぜか助けを求めてきた。
街をこれだけ壊しているのに本気じゃないって......まあ、相当追い詰められているんだろうけど。そうだ! いいこと思いついた。
「じゃあ代わりにアジトの場所と盗賊団の構成員を教えてもらえるかな?」
「分りました! お安いご用ですぜ! アジトはここから南西3キロ先の洞窟で、構成員は俺たちを除いて5人。お頭は身長2メートルの大男で右肩に傷があって......」
盗賊はさっきまでのプライドはどこへいったのかと聞きたくなるくらいペラペラとすべてを話したのだった。
とりあえずこの盗賊のプライドはさておき全部しゃべったから助けてあげようか。
「この人を許してあげてもらえないかな?」
「姫の姉御がそう言うなら......」
刺青の男は盗賊の胸ぐらから手を離した。すると気が抜けたように盗賊は地面に座り込んだ。
よし! これで問題は解決かな。
「ドヴァ、一度家に戻ろうか。盗賊団のアジトの件はイェダンに任せて......何で僕の反対方向を見ているの?」
そう、今気づいてみればドヴァとは一度も顔を見合せて会話した覚えがない。
「えっと、その......人の顔を見て話すのが苦手なもので......」
いや......さっき兵士Aと顔を見て話をしていたよね?
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