第152話 戦闘の解説役って意外と役に立つよね
「ふっふっふ......それは私が解説しましょう! ドヴァさんは私たちでも目で追えない超高速で動いて3人の盗賊団を手刀で倒しちゃったんですよ! 何を隠そうドヴァさんは姫様のお家に住んでいる兵士の中でもトップ3に入るほど強いんですよ!」
兵士の1人がまるで自分のことかのように誇らしげに解説してくれた。
いや、ちょっと待って......私たちでも目で追えないって言ってるのに何でまるですべてを知っているかのように語ってるの?
「ちょっと待て兵士A!」
ドヴァが盗賊団の男たちを縛りあげながら話しに割り込んできた。
......というか兵士Aって何!? 名前で呼んであげてよ!
「えっと......ドヴァさん、どうかしましたか?」
「トップ3じゃなくてトップ2の間違いだよね? 団長が1番で私が2番......そうでしょう?」
「え、あの......はいトップ2です」
兵士Aは冷汗ダラダラと流しながらドヴァに敬礼をして答えた。
「姫様! 姫様!」
小声で別の兵士に呼ばれた。
「えっと? どうしたの?」
その兵士は僕の耳元に口を近づいて小声で話し始める。
「一応お伝えしておいた方が良いかと思ったので、実は......イェダンさんとドヴァさんはほぼ同じ強さなので、お互いに2番目に強いと思っているんです。だからトップ3って言うと過剰に反応するんですよ」
「なるほどね......」
イェダンとドヴァの前ではこの件については注意することにしよう。
「え? 姫様? イェダンさんとドヴァさんについてもっと知りたいんですか?」
兵士Aがいつの間にか僕の隣に移動して何か話したそうにうずうずしていた。
「いや......別にそんなこと言って......」
「仕方ないですねぇ......さらにとっておきの情報をお教えしましょう」
話を聞けよ......一応僕君たちの主なんですけど? 名前すら明かされてない兵士Aのくせにキャラ立てないでよ。
「イェダンさんとドヴァさんの本当にすごいのは戦闘能力じゃないんですよ......そう! 索敵能力がずば抜けて高いんですよ。半径100メートル以内なら敵がいればすぐに感知できるんですよ!」
「それはつまり私と同じですね......最近、仕事で失敗した時にメイド長の視線を察知できるようになったんですよ!」
兵士Aの話を聞いたアスカは得意げに語り出した。
アスカ......その理論だとメイド長が敵ってことになるんだけど?
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