第151話 盗賊団を探しに来たよ
僕たちはその後僕の領内にある盗賊団が暴れている街に向かった。家のガラスが割られていたりドアが壊されていたりで荒らされた形跡が見られる。
ちなみにメンバーはドヴァ、兵士3人、それにアスカだ。メイド要因としてはメイド長が良かったけど、メイド長は忍者の指名手配に忙しいみたいだからお願いするのをやめておいた。
「安心してください、姫様! 私の給料のために姫様は絶対に守ってみせますから!」
アスカは 自信満々に自分の胸に手を当てて頼りがいがあるのかないのか分らない言葉を口にする。
アスカってもしかして意外と強......くはないよね。どう見ても強そうには見えない華奢な体してるし......
「着きましたよ。ここが盗賊団の出た街です。ここからは注意して姫様をお守りしますね」
兵士の1人がそう言うとそれぞれ僕の右、左、後ろを守るように並んで進み始めた。ドヴァが前を見張っているからこれで四方すべてを見張ることができるわけだ。
当然ながらアスカは見張り役としてカウントされていないわけだけど、キョロキョロと辺りを見回している。
「そこに怪しい人影が!」
アスカは足を止め左の路地を指差した。
「いや......人はいない」
ドヴァが左の路地のほうを見ることもなく答えた。すると「にゃあ」と左の路地から可愛らしい野良猫が歩いてきた。
「ねえアスカ......人じゃなくて猫なんだけど」
僕はジト目でアスカのほうを見た。
「いやぁ......まさか猫とは! まさに猿も木から落ちるってやつですね!」
......その例えだとアスカの場合は落ちるどころか料理のとき以外に木に登っているを姿を見たことがないけどね。
しばらく街の中を進むとドヴァがその場に立ち止まり、兵士たちにも右手で止まるように合図した。
「右後方2メートルの路地に1人、右前方5メートルの屋根の上に1人、左前方10メートルの建物の影に1人。私が全員片付ける」
「「はっ!」」
3人の兵士はあたりを警戒しながら返事をした。
「よーし! 私も1人くらい倒しますよ!」
アスカは荒い鼻息で手に持っているモップに力を入れる。
何でモップ持ってるの? というかモップで盗賊団と戦う気なの?
だけど、僕の心配は無意味だった。そう、それは一瞬の出来事で気づいた時には3人の男たちが地面に倒れていたのだ。
「え? 何が起こったんですか? 姫様!」
アスカは目を丸くして僕に尋ねた。
......いや、それを僕に聞かれても......
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