第144話 お花を摘みに行きますね
「パパ......そんな心配をする必要はないわよ」
「どういうことだママ?」
国王様は王妃様の言葉に驚いて振り向いた。
王妃様はこの暴走した国王様を止めて......
「処刑器具がないなら拷問器具を使えばいいじゃない?」
王妃様......マリーアントワネットの名言みたいに何怖いこと言ってんだよ!? というかこの家に処刑器具や拷問器具なんてあるの!?
「姫様、結論から言ってどちらもありません。武器になるようなものはいくつかありますので処刑自体はできますが」
怖いこと冷静と答えないでよメイド長!
「ふむ......そうだな。まずはその黒ずくめの者を探すことにしよう。メイド長! すぐに国内に指名手配を行うのだ!」
「はい。承知しました。国王様」
メイド長は返事をすると一礼をして部屋から出て行った。
結局あの不法侵入忍者さんは何しに来たんだろうかな......おっと考え事してたらトイレに行きたくなったぞ。
「パパ、ママ。お花を摘みに行ってきますね」
「アイネちゃん、1人で大丈夫? ママもついて行こうか?」
「大丈夫だよママ」
僕は1人で部屋を出てそのままトイレに向かう。トイレの前まで着くと入ろうとドアに手を伸ばしを開けた。
「入ってまーすッス!」
するとそこには夜中見たあの忍者がトイレのふたを閉めた状態でズボンは履いたままトイレに座っていたのだ。僕はそのままそっとトイレのドアを閉めた。
「やれやれ僕......疲れているのかな。なんかトイレの妖精的なものが見えた気がするんだけど......」
『違うッスよ! それがしはトイレの妖精なんかじゃないッスよ!』
閉められたトイレの中から不法侵入忍者さんは僕の独り言に返事をした。ドアを閉めたままでも声が聞こえるようなので僕はドアを閉めたまま話し始めた。
「あのさ、あんまり悪そうな人じゃないから忠告してあげるけど、ここにはもう来ない方がいいと思うよ? ほぼ間違いなく捕まったら処刑されると思うからさ......」
『......はぁ? それがしが一般人に捕まるわけないじゃないッスか。そんな心配いらないッスよ』
この不法侵入忍者さん、折角人が親切に忠告してあげたって言うのに。
『それがしは異世界転移特典で超スーパー忍者にしてもらたッスよ!』
え!? この忍者......さっき異世界転移特典って言った!?
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