第140話 刺青の男たちが返ってきた

「ただいま!」

 玄関からシャーリーさんの声が聞こえ、しばらくすると僕たちがいる部屋にやってきた。

「おかえり、シャーリーさん」

「おかえりなさい、シャーリー様」

 僕とミランダさんは部屋に入ってきたシャーリーさんに声をかけた。シャーリーはミランダの前まで行ってしゃがみ込んだ。

「ミランダ、少しは反省したかしら?」

「シャーリー様......お言葉ですがボクは反省をするようなことはしてませんから!」

 シャーリーは頭を抱えて首を振っていた。

「もういいわ......スール、ミランダを解放して」

 シャーリーさん......ミランダさんを反省させることを諦めた!?

「はい。姫様」

 相変わらずどこからともなくスールが現れて一瞬のうちに縄を解き、ぐるぐる巻きにしていた毛布を回収していた。

「ふぅ......美少女に見つめられてるとはいえさすがに肩は凝りましたね」

 ミランダは肩を回してストレッチをし始めた。

「それにしてもあの刺青の人たちなかなか戻ってこないね......アイギス王子の家ってここから結構距離があるのかな?」

「姫様、噂をすればですね。戻ってきたようです」

 メイド長が窓の外を指さしていたので覗いてみるとぱっと見た限り100人以上の刺青の男たちがこの家に向かって歩いて来ていた。僕とメイド長とマーラはすぐに外へ出た。

「お待たせいたしやした。杖をお持ちしやした」

 リーダーっぽい男がペコペコしながら杖を差し出した。

「ありがとう」

 僕はリーダーっぽい男にお礼を言って杖を受け取る時に少し手に触れてしった。するとその男は頬を赤く染めてすぐに僕から目を逸らした。

 ......もしかしてこいつ僕に惚れたのか。全くいちいち面倒な能力だな......ん? よく見るとこの男の手を見ると生傷がちらほらあるぞ。それに他のメンバーたちにも生傷がいくつもある......

「あの......もしかしてこの手の傷は杖を取りに行く時に?」

「え、ええ。まあちょっとありまして......」

「わざわざそんな危険なところに行ってもらって悪かったね」

「いえ、あなたのためなら命をかけられますので俺にできることなら何でも言ってください!!」

 リーダーっぽい男は自分の胸に手を当てながら僕に言った。

「オイ......いつまで姫様に臭い息をかけてんだ......殺すぞ!」

 マーラはナイフをリーダーっぽい男の首元に当てていた。

 あの......これもマーラにとってNGなのかな?

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