第135話 水着の魅力
「水着の魅力をボクが話さないうちに一方的にアイネ様をパジャマ派に取り込むのはやめてください!」
ミランダは持っているティーポットを前にかざしながら走ってきたせいか鼻息荒く叫んだ。
「無駄だと思うわよ......もうアイネちゃんはパジャマ派よ。説明するだけ無駄と思うわよ!」
シャーリーは勝ち誇ったように答えた。
......え? 僕はいつパジャマ派になったの? 確かにパジャマ姿の女の子はいいと思うけど。
「いえ! まだ分かりませんよ! ボクの話を聞けばアイネ様もきっと水着の魅力に気づいて水着派になってくれます!」
ミランダはティーポットを握っている手に力を入れて宣言した。
なんで2人とも僕のことを説得するんだろうか? 水着パーティーするにせよパジャマパーティーするにせよ別に僕を説得する必要はないんじゃ......というかいい加減ティーポットを机に置いたらどうだろうか?
「そんなに言うなら説得してみたらどうかしら?」
シャーリーはどうぞといわんばかりに手を差し出した。
「ありがとうございます。コホン......ではアイネ様、水着の魅力って何だと思いますか?」
ミランダは一礼をして説明をし始めた。
水着の魅力って言ったらやっぱり女の子の肌の露出が多いところが魅力的......などと言うのはおかしいよね。今は女の子なんだし。だとすれば――――
「やっぱり水着は可愛いのが多いことかな......? ほら、普段の服と水着って全然違うからファッションとしても楽しめるし」
うん! こんな感じの回答でいいだろう。男の僕が答えたにしてはなかなかの回答だろう。
「アイネ様......全然分かってないですね」
ミランダは僕の回答にティーポットを持ちながら呆れたように首を振っていた。
えっ? 間違えた......でもさ、僕に女の子の水着の良さをアピールさせるなんてハードルが高いと思うんだよね。
「アイネ様、水着の魅力って言ったらやっぱり女の子の肌の露出が多いところじゃないですか」
ミランダはティーポットを目の前に差し出して答えた。
訂正......より男の人が好む回答が正解だったようだ......ってこれが正解なの?
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