第134話 説明をさせてください②

 メイド長は話を続ける。

「ある日、マーラは姫様のところのメイド採用試験のチラシを見たのです。そして、彼女は思いました、『もしもこの試験に合格できればもっと近くで姫様をお守りできる』と」

 なるほど......でもうちでメイド採用されるのってかなり難しいんじゃ......だってかなり倍率高いんだよね?

「彼女は必死に努力をしてメイド採用試験に無事合格しました。だけど、マーラは気づきました昔の自分を知られては姫様を怖がらせてしまう。ならば、自分を弱い存在に見せて姫様を怖がらせないようにしようと」

 そうか......だからあんなおどおどした態度だったたんだ。

「おどおどした感じじゃなくて普通に接してくれても大丈夫なんだけどな。だって昔はどうあれマーラはとても優しいんだって分ってるから」

「姫様、それは無理だと思います」

「え? どうして? 怖がったりしないよ?」

「おどおどしているのは単純に姫様の前で緊張しているだけだからです」

 あの態度は緊張していただけなのかよ!!

「僕たちも客間に戻ろう......」

 そう言って僕とメイド長は客間へ移動した。

「アイネちゃん、作戦会議よ! パジャマパーティーを開くためのね!」

 客間に戻った僕はシャーリーの第一声で僕は水着パーティー、パジャマパーティー問題のことを思い出した。

 そうだった......この最重要議題のことを忘れかけていた。しかし、単純にパジャマパーティーのほうに協力していいのだろうか? ひょっとすると水着パーティーのほうが楽しいかもしれない、

「シャーリーさんはどうしてパジャマパーティーを開きたいの?」

「よく聞いてくれたわ! その質問に答える前に聞いていいかしら? アイネちゃんの思う女の子のイメージってどんなものかしら?」

 女の子のイメージ? そんなの決まっているじゃないか。

「柔らかくていい匂いがする......かな?」

「そうよね! つまりその女の子に柔らかくいい匂いのするパジャマを組み合わせることで究極の柔らかさと究極のいい匂いのするものに昇格するのよ!」

 なるほど......そんな昇格しちゃったら無敵じゃないか!

「ちょっと待ってください!! 抜け駆けはダメですよ! シャーリー様!」

 ミランダがティーポットを持って止めに入った。

 どうやら水着側の反論が始まりそうだ。

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