第131話 マーラの正体
「みかじめ料? なんでそんなものを君たちに払わなければならないんだ?」
「はっ! そんなの用心棒代に決まってるだろ? 俺たちのおかげでこの街の奴らは安全に暮らせているんだからよォ!!」
強気な態度で質問したミランダに対して刺青男の1人が笑いながら答えた。
ミランダは女性の様子をもう一度見た後、唇を噛みしめながら震えながらその男に尋ねた。
「何を言っているんだ......君たちのせいでこの女性が傷ついているじゃないか?」
「はぁ? 俺たちは知らねえなぁ......転んで怪我でもしたんじゃないか?」
刺青の男の1人がそう言うと周りにいた男たちも笑いだした。
「......どっちにしてもボクは払う気はないよ」
ミランダは男たちを睨みながら呟いた。
「ほぅ? じゃあ痛い目見てもらうしかないよなァ!! アニキ! やっちゃっていいっすよね?」
刺青の男の1人は隣にいる一際大きな体をした男に尋ねた。どうやらあの人がこのメンバーのリーダーなのだろう。
「......い、いや待て。あそこにいらっしゃる方、もしかして......マーラさん......!?」
リーダーっぽい男は青ざめた表情でこちらを見ながら後ずさりをした。
「アニキ、誰っすか? そのマーラさんって人は?」
「バカ野郎!! お前そんなことも知らねぇのかよ! 俺たちの
「ま、まじっすか......?」
あれ? なんだか刺青の男たちがざわざわし始めたぞ......
しばらくするとリーダーっぽい男が1人で近づいてきた。
「いやぁ、マーラさんがまさかこんなところに来ているなんて思いませんでしたよ。今日はお会いできて光栄っす!」
態度を180度変えてニヤニヤしながらリーダーっぽい男が話しかけてきた。
「わ、私は
マーラは男から目を逸らしていつもの態度で答えた。
「いやだなぁ......あっしらが見間違えるわけないじゃないですか、マーラさん」
リーダーっぽい男なのになんか下っ端みたいな言葉づかいに変わったよ......
「ち、違います」
「いやいや......絶対にマーラさん......」
「違うって言ってんだろうが? 死にてぇのか? 姫様にばれたらてめぇ......殺すぞ」
マーラは鋭い目つきでリーダーっぽい男を睨んだ。
......というか現時点でいろいろ聞こえて分かってしまっているんだけど......
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます